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転職経験あり! 仕事人たちのストーリー 第9回

ユニークな職務経歴書で勝負! 塾講師、結婚後の再就職、さまざまなキャリアを経て天職Web制作へ

2006年09月07日 00時00分更新

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フローチャート型の職務経歴書を作り
知識やスキルの生かし方をアピール

 茂木さんは「自分に残された転職のチャンスはあと1回だけ」と、業種も職種も徹底的に追求することにした。さまざまな転職サイトの求人情報を比較しながら検索する中で、携帯電話向けWebサイトの企画・編集の求人を発見。「やりたかったのは、この仕事だ!」と思った茂木さんは、携帯電話向けWebサイト制作スタッフを募集している5社にエントリー。書類審査を通過した3社の面接を受け、その中の1社である出版社に就職することにした。母親が愛読していた公募懸賞情報雑誌の発行元であることに親しみを感じたからだ。同社での仕事は、携帯電話向けの「公募・懸賞情報サイト」の企画・編集。ついに希望する仕事に就けた茂木さんは、転職活動に際してユニークな方法で自身の経験やスキルをアピールしていた。

「私は口下手なんですが、資料作りには自信がありました。そこで、これまでの職歴や業務内容と、各職場で得た知識やスキルをフローチャートにした職務経歴書を作ったんです。こうすれば、どんな経験をどういった場面で生かしてきたのか、また転職先の仕事でどう生かそうとしているのかを、一目で理解してもらえると思ったんですよ。また、一次面接で『現在のサイトをどのようにしていきたいのか』と質問されたときは、サイトの問題点と解決策を提示する資料を作りこんで二次面接のときに提出しました。Web制作の仕事は未経験の素人ということもあり、そういう形でしか答えられませんでしたが、この回答方法が評価されたようですね」

 こうして、携帯電話向け公募・懸賞情報サイトの制作に携わることになった茂木さん。その業務内容は新コンテンツの企画・編集、そして運営に始まり、懸賞用賞品の買い出し、雑誌に掲載する同サイトの広告の作成と、多岐にわたった。これまで趣味の範囲でWebサイトを作っていた彼女にとって、初めて経験する業務ばかりだったが、それを1つ1つクリアしていくのが楽しかったという。だが、入社して1年ほど経ったあたりから出版社の経営状態が悪化し、彼女を取り巻く状況も変わっていった。サイト制作予算が日に日に縮小され、コンテンツの削減も余儀なくされた。思うようなサイト制作・運営ができない状況に活路を見出せなくなった茂木さんは、2005年8月に同社を退職。Webサイトの企画に携われる仕事を探して転職活動を始めた。

「退職してすぐに転職活動を始めたものの、『31歳という年齢では、なかなか採用してもらえないのでは』という不安もありました。そこで、いろいろな転職サイトで求人情報を探しつつ、転職エージェントに登録してサイトに出てこない求人情報を探してもらいました。また、口下手の克服にも挑戦。私は初対面の人を相手にすると、緊張して頭の中が真っ白になってしまうんです。でも、そのために仕事を逃したくはありませんでした。そこで、エージェントに面接シミュレーションをしてもらったのですが、『職歴をフローチャートで作れるのだがら、それを口で言えれば大丈夫ですよ』と助言されたんです。目から鱗が落ちたような気がしました。それからというもの、フローチャートを丸暗記して、いつでも言えるように毎日練習しましたね」

 練習の甲斐もあって、茂木さんは応募した6社中4社から内定を得た。そして、その中の1社であるオムロン エンタテインメントへ2005年10月に入社。希望どおり、携帯電話向けサイトの企画・編集に再び携われることになった。

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