(株)村田製作所とセイコーエプソン(株)は27日、モバイル機器に端子を接続せず、大容量の電池を急速に充電できるシステム「ワイヤレス急速充電システム」に関する共同開発を発表した。
村田製作所が持つ急速充電バッテリーに関する技術と、セイコーエプソンが持つワイヤレス充電システム、充電器に関する技術を合わせて、3年後の実用化を目指して開発していく。
村田製作所 執行役員の戸川一也氏は、ワイヤレス急速充電システムについて、「今回のシステムは今までにない市場であり、両社共同で作っていきたい。充電台の設置や各社への対応などのインフラが整うには、時間がかかると思うが、ユーザーの利便性といったところを考えると、また違った世界が見えてくるのではないか」と語った。
充電台を開発するセイコーエプソン 半導体事業部 副事業部長 武田 浩氏は、「シェーバーや電動歯ブラシなどで利用されている、従来の“無接点電力伝送”の実用例では、伝送効率が30%と小容量電池への伝送しかできず、ノートパソコンや携帯電話機用などの比較的大容量の電池に対しては、30%という低効率では損失電流が大きな熱になってしまう。セイコーエプソンの伝送モジュールでは70%以上の伝送効率を実現しており、高効率で伝送するため低発熱による大容量電池の充電が可能となる」と述べた。