全モデルが「HDMI 1.3a端子」を搭載
まずは、この夏から段階的に市場投入が始まっている、デノンの新製品ラインアップについて簡単に紹介しておこう。
今年6月に、他社に先駆けて既存のAVアンプのラインアップをフルモデルチェンジしたデノンは、現在7機種のAVアンプを段階的に市場に投入している(関連記事)。このうち最上位の2機種「AVP-A1HD」と「POA-A1HD」(各73万5000円)はコントロールアンプとパワーアンプが分けられたセパレート構成のため、実質6つのラインから構成されている形になる。
特徴としては、エントリークラスの「AVC-1508」(5万8800円)から最上位のAVP-A1HD/POA-A1HDまで、すべてのモデルがHDMI 1.3a端子を搭載している点が挙げられる。最下位のAVC-1508は、HDMI切り替え機としての利用方法が主となるが、上位4モデルに関してはDolby TrueHDとDTS HDのデコーダーを内蔵しており、次世代DVDプレーヤーから出力されたこれらの信号をダイレクトに受けられるようになっている。
デノンでは、次世代DVDのロスレスオーディオを再生するに当たり、高音質サラウンド回路「D.D.S.C.デジタル」を「D.D.S.C. HD」として強化。次世代DVDに本格的に対応できる音質の高さを大々的にアピールしている。チップ供給の関係で、これまでロスレス信号の出力に対応した次世代DVDプレーヤーは存在していなかったが、こちらも秋以降順次登場してくる見込み。次世代DVDのリアルなサウンドを本格的に再生できる環境がようやく整う形だ。
全部入りと言っていいほど充実したネットワーク連携機能
さて、今回メインで紹介するAVC-3808は、AVP-A1HD/POA-A1HD、AVC-A1HD(59万8500円)に続く、上から3番目のモデル。価格は23万1000円で、ボリュームゾーンの中級機に相当するという。
背面にEthernet端子を装備しており、インターネットラジオの再生のほかに、Windows Media Player 11をインストールしたパソコン上のファイルを再生できる機能(旧Windows Media Connect 2.0)や、DLNA対応のネットワークストレージ上のファイルを再生する機能を備えている。対応する形式はMP3、WAVE、WMA(DRM対応)、WMA Lossless、FLAC、AACなどだ。
インターネットラジオ機能に関してはvTunerのデータベースにアクセス可能となっており、海外約3000局、国内約50局のインターネットラジオ局の放送を無料で聴ける。ラジオ局の中には音楽専用のものもあれば、ニュースなどを中心に配信しているものもある。
また、本体前面のUSB端子にUSBメモリーやUSBハードディスクを接続することで、その中に保存されたファイルの再生も可能だ。D/Aコンバーターは192kHz/24bitまでの信号に対応する。
これ以外にも、圧縮時に失われた高域成分を再生時に補完する「Compress Audio Restorer」の機能も持つ。このほか、別売のiPod用コントロールドックを接続することにより、付属リモコンでiPodの操作も行なえたり、双方向リモコンの利用により再生中の楽曲データを手元にリモコンで確認できたりとオプション類も豊富だ。
以上がデノンの新製品ラインアップとAVC-3808の概要である。以下インタビュー形式で担当者のお話を紹介しよう。