オープニングアクトは和太鼓の響き
ミス・ユニバース第2位の知花くららさんも登場
オープニングセレモニーは突然の会場内からの和太鼓の響きでスタートした。いかにも日本らしい勇壮な和太鼓によるオープニングアクトを終えると、司会を務めるキャスターの草野 仁氏とミス・ユニバース2006年世界大会2位に輝く知花くららさんが登場した。草野氏がコ・フェスタは日本のコンテンツを世界にアピールしていくイベントであると説明すると、知花さんは「広く世界で日本のコンテンツが受け入れられていることはとても誇らしいです」と語った。
続いて、内閣府特命担当大臣を務める岸田文雄氏が登壇し、「コ・フェスタはこれを通じて我が国のコンテンツを世界に発信していくものです。知的財産立国を目指す事において、担当大臣としてしっかりした環境整備をしなければならないと考えています」と語った。
次にジャパン・コンテンツの顔として、コ・フェスタのメインキャラクターを務める俳優の役所広司氏が登場した。役所氏は主演映画「Shall we ダンス?」が米国をはじめ海外で上映され、その後も「バベル」や「SAYURI」などでハリウッドに進出。渡辺 謙氏とともに、世界に通用する日本人俳優として国内外で高い評価を得ている役所氏は、コ・フェスタのメインキャラクターに相応しいと言えるだろう。役所氏が日本のコンテンツを紹介することを告げると、Games(ゲーム)、Animation(アニメ)、Manga(マンガ)、Characters(キャラクター)、Broadcasting(放送)、Music(音楽)、Film(映画)の7ジャンルを代表するさまざまなコンテンツが次々とプロジェクターに映し出され、竹本泰蔵氏指揮による東京フィルハーモニーオーケストラの演奏をバックに紹介された。
堀井雄二氏、富野由悠季監督ら
日本が誇るクリエイターたちがこぞって登壇
コンテンツ紹介が終わると、続いては各ジャンルのクリエイター、プロデューサ-、アーティストの代表が紹介された。
最初に登場したのは、「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親、ゲームクリエイターの堀井雄二氏、続いて「機動戦士ガンダム」シリーズを手がけるアニメーション監督の富野由悠季監督、さらに「スラムダンク」「バガボンド」で知られる漫画家の井上雄彦氏が並ぶ。「ポケットモンスター」を手がけるプロデューサーの石原恒和氏は、世界中で人気者となったピカチュウを伴って登場した。放送界からは「北の国から」など上質なドラマを手がける杉田成道監督、いまやミュージシャンとしてよりもカートゥーンのキャラクターとして米国をはじめ世界の人気者となったPUFFYのお二人が登場した。
そして最後に「寅さん」シリーズから「たそがれ清兵衛」で日本の“情”の世界を世界に知らしめた山田洋次監督が登場し、総勢7組のコンテンツを代表する顔が勢揃いした。
さらに今回、コ・フェスタのアートディレクションを手がけた佐藤可士和氏、宮崎 駿監督をはじめとるスタジオジブリの作品や北野 武監督作品の映画音楽を数多く手がけ、コ・フェスタのテーマ曲「Links」を作曲した作曲家の久石 譲氏、そして再び役所広司氏が登場した。また、会場席には日本と韓国との文化交流を担う韓国文化コンテンツ振興院(TOCCA)院長のソ・ビョンムン氏、KBI韓国放送映像産業振興院理事長のキム・キョンゴン氏、「スパイダーマン3」プロデューサーのアヴィ・アラッド氏、「ラスト・エンペラー」プロデューサーのジェレミー・トーマス氏、「ヘブン」プロデューサーのジョナサン・キム氏ら、映画関連のエグゼクティブが紹介された。
最後に経済産業大臣の甘利 明氏が登壇し、挨拶するとともに、コ・フェスタの開会を宣言した。甘利氏は「コンテンツ促進法などの法整備を進め、この日に挑んでいます。どのコンテンツも世界に評価されているコンテンツ大国でありながらあまり知られていない。日本がコンテンツの聖地であり、コ・フェスタを世界のコンテンツ関係者が集まるものにしたい。経済産業省、文化庁、総務省、外務省、内閣府の5つの“役所”がどんなに思い入れをしているのかは、キャラクターに“役所”広司さんを選んだことでお分かりいただけると思います」と語った。
セレモニーのフィナーレを飾ったのは、久石譲氏の指揮、ピアノ演奏と東京フィルハーモニーオーケストラの響宴による、記念ライブとなった。演奏された曲目は、映画「水の旅人 侍KIDS」から“水の旅人”“For You”、コ・フェスタテーマ曲“Links”、アニメ映画「風の谷のナウシカ」から“NAUCICAA2006”、最後にアニメ映画「ハウルの動く城」から“人生のメリーゴーランド”が演奏された。
“Links”について久石氏は、「(久石氏の原点でもある)ミニマルミュージックをベースとして書いたもので、反復される音が、モノとモノ、人と人がリンクして行くイメージを描いています。15分の8拍子という変則的な難しい楽曲にオーケストラともども緊張しています」と語っていたが、難しいリズムながらなにやら楽しげなメロディーがのり、まるで宮崎アニメの劇中に登場しそうな、わかりやすく楽しい楽曲に仕上がっていた。