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シンプル化でより身近な存在を目指す

ドコモの新スマートフォンは見た目も普通のケータイに

2007年09月21日 23時00分更新

文● 岡本善隆(編集部)

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月刊アスキー 2007年11月号掲載記事

 一般のケータイユーザーに、スマートフォンはどういう印象を持たれているのだろう。多機能かもしれないが、大きくてかさばる、電話としての使い勝手が悪い、動作が緩慢……。正直こんなところではないだろうか。

左から富士通「F1100」、HTC「HT1100」。見た目もごく普通のストレート端末だ。

 これらの見方に対する解が、今回NTTドコモが発表した「F1100」「HT1100」という2台である。両機とも、そのスタイリングはごく一般的なスライド型端末とほとんど変わらない。厚みも16.9mmと16.5mm。完全にポケットに入るサイズである。液晶はQVGA(240×320ドット)でウェブ閲覧には必ずしも適してないが、解像度が低い分、比較的軽快に動作する。なお、iモード機能は搭載していないため、パケット定額サービス「Biz・ホーダイ」(月5985円)の契約がほぼ前提になる。実際の発売は来年2月前後を予定と随分先だが、ドコモショップで一般ユーザーも購入できるほか、価格は90xiシリーズと同水準としている。

ビジネスユースを中心にセキュリティを重視 富士通「F1100」
指で操作するTouch FLO技術を搭載する HTC「HT1100」

 両機種を詳しく見ていくと「F1100」は法人利用を重視したモデルと言える。通常のWindows Mobile機とは異なる、普通のケータイライクな待受画面を採用。携帯ユーザーが違和感なく利用できるようにしている。また、背面に指紋認証機能を搭載するほか、ドコモの企業向けソリューション「PASSAGE DUPLE」に対応。社外では通常の携帯電話、社内では内蔵の無線LAN機能を用い、IP経由の内線電話として利用できる。メインボタン上部の4つのキーも特徴で、ソフトにより機能が切り替えられる。たとえば内線電話時は「保留」「転送」などを割り当てる。

 一方の「HT1100」は、NTTドコモにキーボード付きの「hTc Z」を供給してきた、HTC製の端末である。最大の特徴は画面を指でなぞることで操作が可能な「Touch FLO」技術。スタイラスの存在を前提としていた従来のPDAなどと異なり、画面上の3Dボックスを指で転がすような動作でアドレス帳、フォトビューアなどにアクセスできる。Touch FLO対応アプリの開発は現時点ではまだ不可能であるなど、まだ発展途上の段階だが、iPhoneともまた異なる個性的な端末の登場で今後も含めて期待大だ。なお、HSDPA対応による最大3.6Mbpsの通信性能は両機共通だが、HT1100は無線LAN機能非搭載なのはやや残念。ただGSMへの対応はF1100にはない利点である。

あらかじめ用意されているTouch FLO対応アプリを操作した。メインのインターフェイスは仮想的な3Dボックスになっており、指で転がすように操作できる。画像ビューアは横になぞることでスクロールが可能だ。


ドコモが分析したスマートフォンの弱点は?

ドコモがスマートフォンユーザーを対象にその用途と不満点を調査した結果がこれだ。利用者にとっても、大きい、重い、通信速度が遅い、ケータイのようには使えない、かっこ悪いという要素が上位に来ている。一般のユーザーになると、そのような意見はより強くなることは容易に想像できる。これらの不満点を解消し、開発を進めたのが1100シリーズなのだろう。

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