信頼と安心を得る。オラクルマスター資格取得の意義
古賀さんは転職先として、オラクルに事業特化したコーソルのオラクルサポート業務を選択。業務内容は、ユーザー(開発者や管理者)からのオラクルに関する質問や疑問などの問い合わせに回答するという、いわばオラクル製品に精通するものであった。古賀さんはキャリアアップの計画どおり、オラクル製品と深く関わる仕事を選んだのである。ところが彼女は、コーソルへの就職が決まった時点で、実はオラクルの資格を1つも取得していなかったという。そこで、入社までの3カ月間にオラクルマスター(オラクルデータベース10g)のブロンズ、シルバー、ゴールドを次々に取得した。
「オラクルマスターの資格は、今後サポートという仕事を行なう上で、顧客に信用と安心を与えるためにも必要だと思ったのです。受験したことで、現在どれだけの力量を持っているかを客観的に確認することもできました。自分に足りない知識分野がどこなのかを知るきっかけにもなると考えたのです」
製品サポート業務の難しさとは
現在、古賀さんが行なっている業務は、ユーザー(開発者や管理者)からのオラクル製品の機能、使用方法、障害対応、リカバリーなどに関する問い合わせを、主にWebやE-mail、電話で受けて解決すること。エンジニア1人につき1日平均3~4件、1カ月平均で70件ほどの問い合わせを解決する。問い合わせを受けたら、まずトラブルの場合、その状況に相応した事例をマニュアルやナレッジベースから探し出し、次に原因を調査・解析。そしてユーザーに解決方法を回答するという。即答できない問い合わせも多いので、上手に整理と処理をしていかないと、あっという間に未解決の仕事が山積してしまうそうだ。
「サポート業務は、仕事の順序を的確に決めることが大切だと思っています。ですから、どれから処理するべきか、早い時点で適切な判断をするよう心がけています。たとえば、ユーザーサイドで解決できるような問い合わせであれば、すぐに解決方法を説明します。また、解決に手間取るようであればユーザーに時間がかかることを伝えるなどの対処をしています。また、1ヵ所だけで障害が発生している案件と、インフラの基幹システムに関わる案件であれば、社会的な影響力から後者を先に処理しなくてはなりません。このように解決の優先順位を付けています」
つまりサポート業務の仕事優先順位の決定には、『緊急性が高いか』『簡単に解決できるか』『解決に時間を有するか』などの視点を持つ必要あるというわけだ。
また、古賀さんにとって役立っているのが、実は前職での経験だと言う。転職前のSIer時代──サポートセンターに問い合わせをするユーザーだったとき、回答をいつもらえるのか、解決までに何日くらい要するのか、解決できる障害なのかなどを、いち早く教えてもらいたいと常々感じていたそうだ。そのため、サポートする側に立った現在は、復旧の目途などはできるだけ早く答えているという。

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