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機能強化で高画素CCDの実力をいかんなく発揮

【レビュー】PowerShot G9

2007年09月14日 00時00分更新

文● 行正和義

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解像感の高さとRAW記録は大きな魅力

撮影サンプル1 同社ならではのカメラ位置センサーを内蔵していることもあって縦位置でもAF/AEはかなりしっかり動作してくれる。暗い建物、明るい建物、青空が複雑にあっても露出はかなり正確だ。解像感はなかなかのものだが、やや輪郭の強調が強い印象がある。JPEGでの撮影、絞り優先AE、1/160秒、F6.3、ISO 80。元画像は4000×3000ドットで、掲載用に800×600ドットへリサイズおよびトリミングを行なったほかは補正をかけていない

有効1210万画素という現行コンパクト機としては最高クラスの画素数というだけでなく、手に持ったときの剛性感やISO感度ダイヤル・モードダイヤルなどのカチッとした操作感など、いかにも高級機というすきのなさが好印象だ。

撮影サンプル2 RAWで撮影したものを単にJPEG化した。明暗の差が大きい場合など、RAWで撮っておいて現像ソフト側で露出の微調整を行えるのは便利。絞り優先AE、1/20秒、F2.8、ISO感度400。ホワイトバランス:太陽光(マニュアル指定)

撮影サンプル2RAW現像 RAWで撮影したものを現像ソフトで若干トーンカーブと色あいを変更した。JPEGデータを補正するよりもディテールが残りやすいのはありがたい

特に今回は高画素化に加えて液晶ディスプレーの大画面化が大きなポイントになっているが、AF枠の移動機能や顔・AF点の拡大表示機能などは2.5インチクラスでは物足りない機能であり、大画面ならではの使い勝手と言えるだろう。実機を使っていても、ダイヤルでAFエリアを選択できるのはかなり快適だった。

撮影サンプル3 RAWで撮影後に明部を若干修正。暗い部分があるため白い部分がやや飛び気味だが、ぎりぎり階調が残っている。絞り優先AE、1/80秒、F5.6、ISO 200(オート)

撮影サンプル4 JPEGで撮影。JPEGが理由というわけではないが、ハイライト周辺部がややにじんだようになってしまった。絞り優先AE、1/80秒、F7.1、ISO200(オート)

撮影画像も非常にしっかりしており、RAW現像でシャープネスをそれほど強くかけなくても解像感のある画像は高画素機ならではのものとなっている。すっきりとした発色やノイズの少なさは同社画像処理エンジン“DIGIC”シリーズに共通のものだが、特に高感度撮影のノイズはかなり抑えられている。さすがにISO 1600や3200ではやや目立ち、ISO 800でもざらつきは残るものの、ISO 400程度ならばほとんど気にならず常用できる実用域と言って差し支えないだろう。とはいえ、ISO 200前後でも明暗の激しい場面ではざらついた印象になるケースもあって、一概に低ノイズと評価し切れないところもある。RAW現像ソフトではノイズ除去強度を小まめに設定(10段階)できるため、撮影時の切り替えや現像の手間さえ惜しまなければなるべくRAW撮影することを心がけたい。

撮影サンプル5 マクロモードで撮影。通常モードで50cm、マクロでは広角側で1cmまで近接可能。AFフレーム枠をダイヤルで素早く移動させることができるためAF点をきっちり決めたい花の撮影などではとくに便利。絞り優先AE、1/25秒、F3.2、ISO 80

Gシリーズはもともと大幅なモデルチェンジとマイナーチェンジを1機種おきに繰り返している機種だ。そのため、G7と比べるとボディーやレンズなどを継承していることもあって、一見して高画素化&液晶画面が大型化したマイナーチェンジ機という印象を受けるのは確かだ。また、広角側がいまだに35mm相当なので、もう少し広角に振ったレンズを搭載してほしいという要望も確かにある。とはいえ、無理に広角に広げることでレンズ描写を悪化させるよりも、安定した画質を維持しながら有効1210万画素の撮像素子のパフォーマンスを最大限に引き出すことを重視した各種機能の強化は大いに評価したい。デジカメユーザーがハイエンドコンパクト機に求めるものは人それぞれだろうが、安定した高画質を気持ちよく使いたいならば間違いなくお奨めできる1台だろう。

撮影サンプル6 高感度撮影結果。ISO 400程度での暗所撮影ではややざらつきはあるもののノイズはかなり抑えられ、リサイズ後ならばほとんど気にならない程度だ。プログラムオート、1/8秒、F2.8、ISO 400

撮影サンプル7 高感度撮影結果。ISO 1600ではやはりざらつきが大きく、リサイズ後でもざらつきが目立つほか、輪郭なども甘くなってしまう。プログラムAE、1/30秒、F2.8、ISO 1600



PowerShot G9の主なスペック
製品名 PowerShot G9
撮像素子 1/1.7インチ有効1210万(総1240万)画素CCD
レンズ 光学6倍ズーム、f=7.4~44.4mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~210mm)、F2.8~4.8
静止画撮影 最大4000×3000ドット
ISO感度 オート、高感度オート、ISO 80/100/200/400/800/1600/3200(ISO 3200時は200万画素相当記録)
動画撮影 640×480ドット、30fps、MotionJPEG圧縮AVI形式
液晶ディスプレー 3.0インチ低温ポリシリコンTFT、約23万画素
記録メディア SDメモリーカード(SDHC対応)/MMC(MMCplus、HC MMCplus)、32MB MMC付属
インターフェース USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力、DC入力
電源 専用リチウムイオン充電池(NB-2LH)
撮影可能枚数 約240枚(液晶ディスプレー表示オン、CIPA測定法準拠)
本体サイズ 幅106.4×奥行き42.5×高さ71.9mm
重さ 320g(本体のみ)

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