防水防滴にも配慮したボディー
ボディーに関しては、外装にマグネシウム合金、内部のシャーシーにジュラルミン並みに強度の高いアルミ合金が採用されている。また、ボタン、ダイヤル、カードスロットなどにシーリング部材を使用し、防塵防滴に配慮した設計になっている。さらに重量に関してもこのクラスとしては軽い690g(本体のみ)に抑え、持ち運びしやすくした。
「型番が“α700”ということで、700gを何とか切ろうと努力した。結果としてこのクラスとして最軽量のボディーを作れた」とソニー デジタルイメージング事業本部 AMC事業部 副事業部長の石塚啓一氏は話す。
HDMI端子を装備し、BRAVIAとの接続も提案
本体にはパソコンとの接続に使うUSB 2.0(High-Speed)端子やビデオ出力に加え、HDMI端子も装備された。8月29日に発表された“BRAVIA”(ブラビア)シリーズ(関連記事)では、α700をHDMI接続した際に、自動的に写真鑑賞に最適化されたモード“ブラビア プレミアムフォト”に切り替わる機能が搭載されている。
「通常のテレビは動画用にチューニングされているため、静止画表示時には精細感や質感が落ちる。静止画に最適化したモードを搭載することで、テレビでも高精細で、微妙な質感や色合いを再現できるようにした」(石塚氏)
ちなみに社内での協業という観点では、シャッター音に関する逸話が面白い。心地よいシャッター音を出すために、ソニーのオーディオ事業部の意見をもらったのだという。
縦位置グリップなど、オプション類も豊富に用意
このほかの機能強化としては、新開発の中央デュアルクロス11点のAFセンサーの搭載、連写性能が毎秒5コマでメモリーカードいっぱいまで撮れるようになった点、背面の半透過型TFT液晶ディスプレーが3インチ(約92.1万画素)と大型化した点などが挙げられる。ファインダーもα100の視野率95%、倍率0.83倍のルーフミラー方式に対して、視野率95%、倍率0.9倍のペンタプリズム方式となっている。
オリンパスや松下電器産業に続き、キヤノン/ニコンなども搭載してきたライブビュー機能に関しては今回も搭載されなかった。しかし、検討は積極的に進めており、一定の見解もできている。開発に関しても進んでいるということだ。
また、絵作りの部分に関しては、逆光撮影時に背景の白トビ、人物の黒ツブレを抑えながら、適切な露出と階調を選択する“D レンジオプティマイザー”のアドバンスモードで補正効果を調整したり(5段階)、補正効果の異なる画像を連続で3枚撮影できる機能などが追加された。
α700の発表に伴い4種類のレンズが追加されたほか、縦位置グリップ『VG-70AM』などオプション類も追加されている。VG-70AMのグリップ内にはバッテリー『NP-FM500H』を最大2個収納可能。単なるグリップではなく、十字キーなどを備えており、横位置でも縦位置でも同じ操作間が実現できる点も特徴となっている。
本体サイズは幅141.7×奥行き79.7×高さ104.8mmで、重量は690g。バッテリーはリチウムイオン充電池(NP-FM500H)で、CIPA測定基準で約650コマの撮影が可能だ。
テレビにつなぐフォトストレージも同時発表
なお、80GBのHDDとメモリーカードスロット、記録型DVDドライブ、Ethernetポートなどを搭載した“ハイビジョン メディア ストレージ”『HDMS-S1D』も本日発表になっている。デジタルカメラで撮影した画像をパソコンなしで取り込み、HDMI経由でハイビジョンテレビなどに出力できる製品。再生アプリケーションとして『x-Pict Story HD』(音楽付きスライドショー)、『x-ScrapBook』(アルバム作成ソフト)などを利用できる。
メモリースティック/メモリースティックDuo以外にも、SDメモリーカードやコンパクトフラッシュ、xD-ピクチャーカードなど主要なメモリーカードに対応する。本体サイズは幅171×奥行き195×高さ115mmで、重量は約2.7kg。価格はオープンプライス(想定実売価格5万円前後)で、11月16日に発売される予定だ。