いざ組み込み系エンジニアの“現場”へ
転身に必要な努力とは
制御Proでの研修の後、小崎さんは念願かなってデジタルカメラやビデオカメラの開発現場で働けることになり、経験を積み重ねていった。組み込み系エンジニアとして3年半の経験を持つ小崎さんに、仕事をするうえで重要なこととは何かを聞いた。
「組み込み系エンジニアは現場で回路図を読み解く必要にせまられることがあります。最初は分からないことばかりですので、ひたすら書籍や資料を読んで勉強しました。そこで大切なことは、電気や電子工学をなるべく根本から知ることだと思います。上辺だけの知識ではなく、設計された回路はどういうルートで電流やデータが流れるのかなどを理解していることが、実はとても重要です。これは現場で問題箇所を判明するのに必要になります」
「民生機は欠陥がないことが大前提なので、テストを何度も行ないます。その際、1つのバグを確実に解決していかないと、後々、余計に手間をかけることになってしまうのです。いろいろな部品との整合性も考えねばならず手間がかかりますが、根本を理解していれば問題箇所を突き止めることができるでしょう」
小崎さんは仕事として、ハードウェアを制御するための関数を自分で書いたり、ICチップの仕様をハード担当のエンジニアに聞きに行ったりすることもあったという。現場は勉強の場でもあり「1人OJT」のようなものだったそうだ。
また最近では、小崎さんは現場を離れてエンジニアの技術講師としても活躍しているという。
「今は講師をメインにしていますが、今後も組み込み系のスキルを伸ばしていき、再び開発・製造の現場に戻りたいと思っています。いずれは、組み込み系エンジニアとして、薄型テレビやエアコンのように『誰もが意識せずに普通に使っているもの』を作りたいです」
- ■取材協力
- テンプスタッフ・テクノロジー株式会社
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