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林信行のマイクロトレンド 第12回

SNSに変革をもたらす“ソーシャルグラフ”

2007年09月06日 23時00分更新

文● 林信行(ITジャーナリスト)

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ソーシャルグラフとSNSは、RSSとブログの関係に似ている


 筆者はSNSにおけるソーシャルグラフの登場を、ちょうどブログとRSSの関係に似たようなものととらえている。

 黎明期のブログは、その体裁も記事のフォーマットもバラバラで、簡単に更新できるというメリットはあったが、読む側にとってはそれまでのウェブページと大差がなかった。しかし、やがてRSSという技術が広がると、どんな会社のブログサービスでも、同じRSSリーダーで記事が読めるようになった。

 同じように現在のSNSは提供する会社によってフォーマットがバラバラだが、今後、OpenIDなどの技術を使って、サービスの壁を越えて人物情報や人間関係の情報を活用できるようになるだろう。各々のソーシャルグラフがつながっていくことで、1人の人物について、より多面的な情報を得られるのだ(あるいは見られる側は、相手によってどういう自分を見せるかを選べる)。

 フィッツパトリック氏やリコードン氏の提案も、まだ具体的な技術仕様などが見えているわけではなく、“すぐに実現”するものではないのかもしれない。

 しかし、さざ波は何度も打ち寄せることによって、砂浜の形を変えてしまう力を持つのだ。今、数年後のSNSに求められる秩序が徐々に形成され、それに合わせてさまざまな取り組みが始まっている。


筆者紹介─林信行

著者近影 林信行さん

 フリーランスITジャーナリスト。ITビジネス動向から工業デザイン、インタラクションデザインなど多彩な分野の記事を執筆。『MACPOWER』『MacPeople』のアドバイザーを経て、現在、日本および海外の媒体にて記事を執筆中。マイクロソフト(株)の公式サイトで執筆中の連載“Apple's Eye”で有名。自身のブログ“nobilog2”も更新中。オーウェン・リンツメイヤーとの共著で(株)アスペクト刊の『アップルコンフィデンシャル(上)(下)』も発売中。



*次回は9月21日掲載予定

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