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RAWデータ現像ソフト

レビュー:ArcSoft Digital Darkroom

2007年09月04日 04時03分更新

文● 斎賀和彦

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競合ソフトとの機能や現像の違い


 RAW現像ソフトといえば、Apertureや「Adobe Photoshop Lightroom」といったプロ向けの製品が中心だ。

ArcSoft Digital Darkroom for MacOS X

「Adobe Photoshop Lightroom」のインターフェース。プロ向けのソフトだけに、パラメーターが細かく、色調や階調を正確に再現できる

 これらと比較すると現像速度や機能の種類はほぼ同等で、価格は約半分と優秀。ただし、各機能のパラメーターが絞られており、各種の調節を組み合わせる微妙な補正には限界がある。競合ソフトではパラメーター調節において、マウスホイールやキーボードの矢印キーでの細かな調整が可能だが、本ソフトは非対応。また、現像に特化したぶん写真を効率よく管理するための機能はなく、一度に膨大な画像を扱う用途には向かない。

ArcSoft Digital Darkroom for MacOS X

作業対象のRAWファイルは、ブラウザー画面で探してサムネールエリアに追加することで現像作業が可能となる

レーティングやソートは写真選択の重要な要素だけに、今後の強化を期待したい。

 プロユーザーの視点からはやや物足りなく感じるものの、細かく分離されたパラメーターがRAW現像を難しくしていたのも事実。本ソフトによる補正は非常にわかりやすく、経験の少ないユーザーでも確実な現像ができるのだ。なお、基本的な補正においてはクオリティー面での遜色は感じなかった。

 細かな部分がアップデートで熟成すれば、これからRAW現像に挑む人は購入を検討してもいいだろう。機能/品質に妥協のないRAW現像の入門ソフトとして存在感を示す製品になるといえる。


【Conclusion】
○  専門知識がなくても写真好きなら理解できる用語と機能で、基本から高度なレベルのRAW現像までをこなせる。JPEG画像にも同じ効果を実行可能。

×  写真を評価分類し、選択するといった画像管理機能がないため、膨大なショットを扱う業務には向かない。細かな操作性にもまだ改良の余地が残る。

(MacPeople 2007年10月号より転載)

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