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「ユーザーの声に対応したバージョンアップ」、日本オラクルがOracle Database 11gを正式発表

2007年09月03日 21時57分更新

文● 渡邉利和

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日本オラクルは9月3日、7月に米国で発表されたデータベースの次期メジャーアップ・バージョン「Oracle Database 11g」を国内で10月23日から出荷開始することを発表した。


テスト環境を大幅短縮、運用保守を抑えて「攻めのIT」へ


「ユーザーの声に対応したバ ージョンアップ」、日本オラクルがO...
代表取締役社長の新宅正明氏

 当日開かれた発表会の冒頭、挨拶に立った日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏は、「Oracle Database 11g」(以下、11g)を「今後5年間を支えるデータベース」と位置付けた。また、これまでのバージョンアップの経緯を振り返り、「8、9では競合他社に対する技術的な優位性を確立し、10gではグリッド対応で大規模システムへの適応能力を高めた」と説明。11gのバージョンアップの特徴を「ユーザーの声に対応して行なわれたバージョンアップ」だとした。11gは“Real Customer Release”だといい、従来は技術主導で行なわれてきたバージョンアップが、ユーザーの要望に応える形で行なわれたのが特徴だという。

 続いて、同社の常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏が、11gの新機能の概要を紹介した。

「ユーザーの声に対応したバ ージョンアップ」、日本オラクルがO...
常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤 智光氏

 同氏はまず、特に日本ではIT投資の約80%が既存システムの運用/保守に費やされている現状を調査会社のデータに基づいて紹介し、「攻めのIT投資額を増やしていく」ことが重要な課題との認識を示した。そのためには、「IT全般のライフサイクルを改善し、高頻度かつ迅速な変更を可能にする」必要があるという。

 そこで同氏が挙げたのが、システムの変更に伴って必須となる「テスト」の問題だ。充分なテストを行なうには多大な労力とコストを要するのが現状で、これがユーザーがシステムの変更に消極的になる大きな原因となる。新機能である“Real Application Testing”では、本番環境からキャプチャしたワークロードに基づいてテストを行なえるため、従来テスト用のワークロードの作成に平均120日ほど要していたのが2日で完了するという。

 また、テストで利用されるワークロードが本番環境から抽出したものであり、特性が本番と同一であることから、より実態に即したテストが実施できる点もメリットだとした。さらに、“Oracle Data Guard”の強化によって災害復旧用のスタンバイ・データベースをテスト環境として流用可能になるなど、テスト環境が大幅に改善されたのが11gの特徴となる。

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11gではテスト期間を大幅に短縮できるようになった

480以上の新機能には日本のユーザーの声も


 三澤氏は、11gには480以上の新機能が実装されたことを紹介すると共に、その中には日本のユーザーからの要望に応える形で実装された新機能も存在すると語った。具体的にどのような機能が日本のユーザーからの要望によるものかは明らかにできないとのことだが、1点紹介されたのは、メインフレーム・ユーザーからの要望の例だ。

 メインフレームで利用されているデータベースは、機能的にはごく単純な機能しか備えていないため、アプリケーションはこうしたデータベースを前提に単純なSQLだけを使用して設計されている。一方、Oracleなどではデータベース側の機能を高度化し、アプリケーションの設計負担を軽減する方向で進化している。これが裏目に出て、メインフレームで利用しているアプリケーションをそのまま移行しようとすると、使用しているSQLが単純すぎるため、逆にパフォーマンスが出ないという問題があった。

 11gではこうした状況に対応したチューニングが施され、単純なSQLでも高いパフォーマンスが出るようにしたという。メインフレーム・ユーザーの比率が高い日本市場ならではの要望といわれれば、確かに納得できるものがある。

 今後の事業目標については、「10gのリリースの1年後の9と10の出荷比率は10gが30%ほどだった」(三澤氏)と明かし、11gでは1年後の出荷比率を50%にするのが目標だとした。また、新宅氏は、「メインフレームやLinux、SMB(中堅・中小企業)などの新市場を開拓することで市場全体の成長を図ること」が大目標だとしつつ、シェアの成長に関しては「現在50~55%と言われているシェアを60%にしたい」と話した。

 10月23日に出荷開始されるのはLinux x86版で、その他の「HP-UX Itanium」「HP-UX PA-RISC」「IBM AIX 5L」「Linux x86-64」「Windows 32bit/64bit」「Solaris SPARC」対応版は2007年中の出荷開始とされている。

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