アルミ筐体で液晶面がガラスで覆われた新デザインのiMacは、20/24インチの2モデルが用意されており、クロック周波数は2.0/2.4/2.8GHzと3つのバリエーションがある。ロジックボード解析やベンチマークなどは、現在発売中のMacPeople 07年10月号に掲載で詳しく紹介しているが、今回2.8GHzモデルを入手したので誌面よりひと足先にベンチマークテストを実施した。
2.8GHzのCore 2 Duoは、「Core 2 Extreme X7900」というプロセッサーナンバーのCPU。Core 2 ExtremeはCore 2 Duoの上位版に位置づけられている製品で、FSBは800MHz/2次キャッシュメモリーは4MB(共有)と同じながら、クロック周波数が高いのが特徴。このCPUはモバイル向けで、本来ならプロノートマシンに位置づけられているMacBook Proの最上位版に先に搭載されるべきだ。予想を裏切ってコンシューマー機のiMacが先に搭載したことは、アップルがiMacをプロ向けの下位モデルとして販売していきたいというアピールかもしれない。さっそく、その実力を確かめていくことにしよう。
1GBファイル/フォルダーコピー
ハードディスク性能を調べるために、容量が1GBの単体ファイル/多数のファイルを含むフォルダーを起動ディスク上で複製する時間を計測した。2.8GHzを含む新iMacは、旧iMacよりも高い性能を示した。ハードディスクの接続インターフェースはSATA IIで同様だが、主にチップセットの刷新などにより性能が向上したと考えられる。
Adobe Photoshop CS3 スクロール/アクション
2Dの描画性能を調べるために、Adobe Photoshop CS3を使って、縦長画像のスクロールと、さまざまなフィルターを組み合わせたフィルター処理にかかった時間を計測した。スクロール速度を見ると、GPUの性能が大幅に向上していることがわかる。アクションについては、旧モデルとさほど変わらない。
CINEBENCH 9.5 レンダリング/OpenGL
おなじみのベンチマークソフト「CINEBENCH 9.5」を使って、CPUのレンダリング性能とGPUのOpenGL描画性能を計測。Radeon HD 2600 PROを搭載する24インチモデルは、旧iMacが搭載するGeForce 7300GTに比べて1.1倍ほどの性能向上が見られる。
QuickTime DV→H.264エンコード
QuickTimeのPro版を使ったDV映像からH.264映像へのエンコードにかかる時間を計測。新旧モデルを問わず、クロック周波数にほぼ比例する結果が現れた。
iTunes AIFF→AACエンコード
iTunes 7を使って、AIFFファイルからAACファイルへのエンコードにかかる時間を計測。QuickTimeと同様、CPUのクロック周波数にほぼ比例する値となった。
Doom 3 フレームレート
3Dアクションゲーム「Doom 3」のベンチマーク機能を使って、3Dグラフィックのフレームレートを計測。残念ながら旧iMacに及ばない結果となった。しかし、GPU自体は旧iMacよりも確実に高性能なので、今後のソフトウェアアップデートなどでビデオドライバーの熟成が進めば、この差は埋まる可能性が高い。
