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キャリア・ピックアップ 第16回

「オラクル マスター教科書」の著者林優子氏解説! オラクル マスター ゴールド試験対策

2007年08月30日 11時30分更新

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■正解と解説

 この問題はRMAN(Recovery Manager)というオラクル専門のバックアップと、リカバリのツールを使っていることが分かります。RMANはリカバリのツールなので、これを使わなくてもOSのバックアップシステムを使ってバックアップを取ることはできます。ただし、その場合はデータのすべてをコピーしていくので、大規模なデータベースの場合は、相当な時間がかかり、下手をすると1日近くかかってしまうこともあります。そうすると毎日バックアップを取るとことが不可能になります。そこで、昨日と今日の変更部分のみのバックアップが必要となります。RMANであればそれが可能です。

 中小規模のデータベースならデータのすべてをコピーする時間もそれほどかからないでしょうからRMANの必要は感じないかもしれません。でも、大規模なデータベースを維持管理するには必要なツールなのです。つまりこの問題は、ゴールド資格保持者は、大規模なエンタープライズ系のデータを管理する必要があることを意識してもらう狙いがあると言えます。データベース管理者として大規模データベースの管理を任されたとき、管理ツールとしてRMANが上げられる知識を持っている必要があるのです。

 以上を踏まえてこの問題を見てみましょう。カレントのREDOロググループに障害が発生したとあります。そのカレントのREDOログファイルの番号が270とあるので、270には障害がありリカバリできず、リカバリできるのは269までとわかります。そこで、270は含まれない選択肢を探すと答えはbとなります。つまり270で障害が発生し、RMANコマンドを実行しても、少しの過去なら戻れる可能性がありますが、たった今の状態には戻れないことがあることを理解する必要があるのです。

 この問題は実はRMANを使おうが、使うまいがあまり関係のない問題でもあるのです。仮にRMAN>RUNとあるcodeを見なくても、データベースの今の状態を想像し、カレントが270であれば、その270は含まれないことがわかります。ゴールドの試験対策法もどういう状況が起こりうるかのイマジネーションを膨らませ、その中で最適な行動が何かを判断できる力を身につけるように意識するようにすればいいでしょう。想定の範囲外のことまで考えられるイマジネーションが求められるというわけです。

データベース管理者として、ゴールドを目指す人へ

 ゴールドを目指す人は、さらに上を目指す意識を持って欲しいですね。それはオラクルマスターのプラチナだけでなく、ほかのベンダーの資格を目指すという意味もあります。ベンダーにはそれぞれ考え方やポリシーがあり、ほかのベンダーの資格を取得することで、どのベンダーがどんなシステムに向いているかが判断できるようになると思われます。また、ほかのベンダーの考え方を理解することで客観的にオラクルの考え方やポリシーも理解できようにもなります。そうすると、クライアントにデータベースシステムを提案するときに、オラクルに限らずさまざまなベンダーのシステムの中から最適なものを提案することができ、クライアントにも満足してもらえるし、データベース管理者として幅が広がるはずです。

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