このページの本文へ

キャリア・ピックアップ 第17回

仕事ができる人には意外な趣味あり? エンジニアの“別の顔”探訪

2007年08月31日 12時14分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

趣味は、メダカの飼育! 


中田康成氏

中田康成さん(33) 合資会社コパリ 代表

 中田さんはSOHOでサーバーの構築や保守管理、システム開発を仕事をしている。IT業界は変化が激しく、常に新しい技術やトレンドを「学ぶ」必要がある部分がハードだと感じているそうだ。また、SOHOであることからも「仕事」「家庭」「趣味」すべてを充実させるためには、メリハリが必要だと話す。けれども、どうして趣味がめだかの飼育となったのだろうか。

「メダカの飼育は仕事の休憩時間でやっています。元々は古代魚のアロワナを飼っていて、メダカはそのエサとして飼育してたんですが……大好物のザリガニをあげすぎたことが原因でお腹を壊してしまい、死んでしまいました。それで、メダカだけが残り、現在もメダカの飼育を続けているというわけです(笑)」

仕事部屋風景

普段の仕事をしているスペースからもメダカが見られるようになっている

水槽

以前はアロワナがいた水槽も、今や立派なメダカの住まいに

クーラーの排水をめだか飼育に使用!? 生態系を生み出す喜び

 いわば、なりゆきのようなかたちでメダカの趣味を始めた中田さんだが、それでもすでに5年続けているという。

「自然な形で飼育できるのが魅力ですね。やっていることと言えば、蒸発などで減った水を足すことと、増えすぎた水草を取ることくらい。水を換える必要もないし、エサもメダカの数が水や水草に比べて多すぎなければ、自然と発生するミジンコで済みます。使用する水は自宅のク-ラー排水を2、3日置いて使ったりして、ビオガーデン(注1)の意識です。本当に手がかからないので長く続けられますし。コツさえつかめば、メダカは増やすのも簡単なんですよ」

注1:ビオガーデン
ビオガーデンとは、人工的に生物群が生きていくことのできる自然環境を整備した場所をいう

めだか

メダカの飼育はメダカを育てるというよりも、水を作るという感覚に近いのだそう。

めだかの移し替え

編集部用にメダカを容器に移している中田さん。メダカの移し替えも慣れたもの。

地メダカって何? メダカ、絶滅の危機!

 趣味にはこだわりが付きものだが、「手を加えず」をモットーにしている中田さんにもこだわりはあるのだろうか。

「あえて言えば、できるだけ自然な形で飼育したいと思っています。あと、メダカや水草を自然に放たないのがメダカ飼育の最低限のマナーだと考えているので、飼っている環境相応の増え方をする自然での飼育がいいですね。自然に放たないというのは、飼っているメダカを川などに放流することで、元来そこに生息している固有種(地メダカ)の存在を脅かしてしまう恐れがあるからです。メダカだけでなく生態系への影響もあるでしょう。実際に、各地の地メダカが絶滅の危機にあるようです。今後は機会があれば、地メダカを飼育して、生態系を壊さない形で元の川に放流するなんてこともしてみたいですね」

ベランダ風景

メダカはベランダで飼育している。真夏の直射日光にあてっぱなしでも、水草と水の深さがある程度あれば、大丈夫とのこと。

メダカ飼育は“システム開発”似

 さて、メダカの飼育の趣味は、仕事にもいい影響があるのだろうか

「1人で仕事をしているため、仕事に没頭してしまうと休憩をとらなくなりがちです。煮詰まったときなどにメダカの世話をするとリフレッシュできていいですよ。ただ、リフレッシュと言っても、パソコンの前にいることの多い仕事だから自然と接したくなるということでもない気がしています。仕事のシステム開発も趣味のメダカの飼育も根本の「環境を作る」という面でつながっている。きっと、頭を動かしてシステム環境の作っているのと、体を動かしてメダカの住む環境を作っているのが違うだけで、同じようなことなのです(笑)」

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ