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週末見るコンテンツはコレ★ 第4回

【週末見るコンテンツはコレ★】

痴漢! サイコキラー! バイオレンス・サイボーグ警官! “夏の火遊び”どころじゃない犯罪ムービー

2007年08月24日 23時55分更新

文● 大石太郎

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解き放たれる闇……人喰い博士の物語はここから始まった
『ハンニバル・ライジング』

完全版 プレミアム・エディション
DVD
価格:4179円
スタンダード・エディション
DVD
価格:2980円
8月24日発売(発売中)
発売元:ジェネオン エンタテインメント
http://www.geneon-ent.co.jp/movie/index.html

ハンニバル・レクター博士の映画デビュー作は『羊たちの沈黙』(1991年)と思っている人も多いが、実は1986年の『刑事グラハム/凍りついた欲望』が本当のデビュー作。監督は『ヒート』や『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』など、男臭い作品を撮らせたら右に出るもののいないマイケル・マン。レクター博士好きを公言するならこちらも押さえておきたい。ちなみに、『刑事グラハム/凍りついた欲望』をリメイクしたのが『レッドドラゴン』だ。

さて、本作は『刑事グラハム/凍りついた欲望』『レッドドラゴン』よりも昔、レクター博士の幼少期・青年期を描いた同名の小説を映画化したもの。

1938年、リトアニアに生まれたハンニバルは第二次世界大戦中の1944年、ドイツ軍に家族を惨殺される。特に最愛の妹ミーシャが受けた残虐極まりない事件がハンニバルの人生を決定づけることとなる。

そして、青年となったハンニバルの精神性に大きく影響したのが日本の文化。 叔母であるレディ・ムラサキ役に日本人女優ではなくコン・リーを配役したこと、日本文化の理解度が微妙に足りないことに異論を唱える人も多いようだが、ハリウッド映画としてはよくできているほう。そもそもハンニバル・レクターっていう存在が想像上のものなんだし、ディテールにこだわるよりは怪物が生まれる様をあるがままに楽しんだほうがいい。

アンソニー・ホプキンスのレクター博士に思い入れのあり過ぎる人は拒絶してしまうかもしれないが、サイコキラーとしてのレクター博士は好きという人は十分楽しめる。若いとはいえレクター博士はレクター博士、彼の気にいらない人間が続々と登場し、しっかりと殺されていく。その殺しっぷりは芸術的でさえある。

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