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今さら聞けないIT英語 第28回

「対」になった言葉の理解が IT英語を読み解くカギになる

2007年01月05日 00時00分更新

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 マニュアルや技術書を読んでいると、IT英語には「対」になった言葉が多々あることに気づく。これらはIT英語を読み解くためのカギとなるので、把握しておくことをおすすめする。

uploadとdownload
 いまさら説明するまでもないIT英単語だが、念のために確認しておこう。loadを「dictionary.com」で調べると「Something that is carried, as by a vehicle, person, or animal.(車両、人、動物などによって何かを運ぶ)」とある。IT業界においてuploadやdownloadで運ばれる対象はデータやプログラムである。そして、upつまり「上」はサーバやホストコンピュータを、downである「下」はクライアントコンピュータなどと考えると理解しやすい。uploadはデータやプログラムをクライアント側からホスト側へ運ぶこと、downloadはホスト側からクライアント側へ運ぶこと、ということだ。

localとremote
 IT業界でよく使われるlocalは「local computer」や「local host」の略語であることが多い。英語本来のlocalに「特定の場所、現地」という意味があることから、自分が使用しているコンピュータやログインしているマシン環境(端末など)を、略してlocalと呼んでいるのだ。一方のremoteも「remote computer」や「remote host」の略語と考えられる。つまり、手元から離れたところにあるメール送信先のコンピュータや通信相手のマシン環境などのことだ。ところで、あなたは「failure notice」(エラー報告)という件名のメールを受信したことはあるだろうか? そこには、こんなメッセージが書かれている。

Remote host said:550 5.1.1 User unknown(リモートホストは「550 5.1.1 知らないユーザです」と言ってメッセージを返しました)
 つまり、メールを送った先のサーバ(Remote host)にメールの宛先となるユーザ名(メールアドレスの@以前の部分)がいないことを表しているのだ。

primaryとsecondary
 どちらも、DNS(Domain Name System)の設定などをしたことがある人にはおなじみの言葉。データベースを構築する際に、レプリケーション(データベースシステムに、あるデータベースとまったく同じ内容の複製<レプリカ>を2つもしくはそれ以上を用意する手法や技術)などでも用いる。primaryは本来「最初の、1次の」という意味で、secondaryは「第2の、2次の」という意味。2つのサーバやシステムに優先順位をつけ、それぞれの役割や仕事を割り振るときによく使われる。「primary(secondary) DNS server」「primary(secondary)IDE」「primary(secondary)key」などの略語であることが多い。

 これらのように、IT英語には「対」になった言葉がいろいろあり、略語として使われていることが多い。こうした言葉に出会ったときは「対」の関係や文脈から、どういう意味で使われたのかを推理しよう。その結果として導き出された意味を当てはめれば、技術書やマニュアルの不明確な部分を読み進められるはずだ。

「対」になった言葉の理解がIT英語を読み解くカギになる

Illustration:Aiko Yamamoto

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