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2006年11月17日更新

VoIPやPPPoEの構造はどうなっている? layerの概念に基づく「over」の使い方

 以前、本コラムでlayerというIT英単語を取り上げた。今回は、そのlayerを理解した上に成立するIT用語を紹介したい。

 あなたは「VoIP」や「PPPoE」という言葉をご存知だろうか? どちらも略語で、正確には「Voice over Internet Protocol」「PPP over Ethernet」という。Voice over Internet Protocolを直訳すると「IP上の声(音声)」、PPP over Ethernetは「イーサネット上のPPP(Point to Point Protcol=ダイヤルアップ接続で使われるプロトコル)」となる。でも、それって何のこと?

 実はVoIPやPPPoEを理解するカギはlayerにある。layerとはネットワーク通信構造を支える根幹的な考え方で、プロトコルを複数の階層に分類して各層の機能を定義する概念である。これに基づいて説明すると、VoIPとはIPのレイヤよりも上位のレイヤにVoice(音声)があることを表していることとなる。つまり上位レイヤを成立させる基盤としての下位レイヤを強調しているのだ。そもそも電話の音声はアナログのため、IPネットワーク上でやりとりすることができなかった。それをデジタルデータに変換してIPネットワーク上で通信していることを説明するために、IPネットワークのレイヤの上位(over)に音声データのレイヤがある状態を表すVoice over Internet Protocolという言葉を用いているのだ。

 PPPoEもlayerの考え方に基づく言葉で、Ethernetのレイヤの上位にPPPのレイヤがあるという状態を表している。

 layerの考え方に基づいたIT用語は他にもいろいろある。「POP over SSL」「IMAP over SSL」「SMTP over SSL」は、SSL(Secure Socket Layer)という情報を暗号化して送受信するプロトコルのレイヤを基盤にし、その上位にPOP、IMAP、SMTPという電子メールの送受信に必要なプロトコルのレイヤあることを意味する。「VPN over SSL」も同様で、SSLという暗号化された通信を基盤として、その上にVPN(Virtual Private Network=仮想的なプライベートネットワーク)を構成することを表す。

 他にも、このような意味合いでoverを使うIT用語に「HTML over HTTP」がある。HTTPプロトコルのレイヤの上位にHTMLのレイヤがあること、すなわちHTTPプロトコルを介してHTMLをやりとりする「Web」を表している。

 IT英語では、下位レイヤを基盤に上位レイヤの機能が発揮されるという状態を表現する言葉としてoverが多様されている。~ over ~ という表現を見つけたらlayerの概念に基づいて文脈を理解するように心がけよう。

VoIPやPPPoEの構造はどうなっている? layerの概念に基づく「over」の使い方

Illustration:Aiko Yamamoto

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