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独立すれば、キラリと光る SEのための起業塾 第8回

第8回 起業家に必要な人脈とは? 緩やかにつながり、メリットばかりを求めないことがポイント

2007年08月21日 00時00分更新

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ライフステージごとの人脈づくりが大切

 さて、私がどう人脈を作っていったかについて、少々紹介したいと思います。

創業1年目は、以前勤務していた会社と年間契約で仕事をしていました。これは、退職するときに慰留されたため、最低でも引き継ぎが終わるまでの1年間は継続して仕事をして欲しい、と請われてのことでした。ですから、以前の勤務先にこまめに顔を出し、コミュニケーションを良好にするように心がけました。しかし、せっかく独立したわけですから、そう長くは以前の勤務先のお世話になるつもりもありませんでした。そこで、起業半年後くらいから営業活動をすることにしたのです。

 たとえば、よき人脈に繋がることを期待して、自分のオフィスについていた多目的ホールで異業種交流会を主宰しました。この集まりは1年後くらいに私の妊娠を機に自然消滅となってしまいましたが、当時知り合ったカメラマンや編集者の方とは、その後も何度か仕事をするようになりました。

 この後は出産、育児と続き、いわゆる夜の会合に出かけることが物理的に不可能になります。しかし、自分のこのようなライフステージの条件でも“人との交流が持てる場”を探しました。結果、区内の女性企業家による異業種交流会の『TES』というグループに入会することができたのです。この会には時には子供連れで参加したこともあります。地域の異業種交流会の良さは「すぐに行ける、会える、話せる」ことも魅力でしょう。

 また、会に参加した1997年当時は、メンバー全員がメールで交流ができたわけではなかったため、メンバーのためにボランティアでIT講習を開いたこともありました。このグループには入会して10年になりますが、この後に、そのグループ内の有志が出資して、IT支援事業を行なうイーテスという新たな会社も生まれたのです。

 さて、子供の成長とともに、私の行動半径も徐々に拡大していきました。その結果、現在では幅広く知識や交流を得るために、さまざまな会に所属するようになりました。前述の大田女性企業家ネットワーク『TES』をはじめ、東京商工会議所、東京中小企業家同友会、日本ベンチャー学会、日本キャリアデザイン学会、日本オンラインカウンセリング協会、大田区異業種交流グループ連絡会、NPO法人大田ビジネス創造協議会、大田ブランド推進協議会、大田観光協会などです。

 中小企業経営者が所属する代表的な会から、学会系、地域に密着した会まで。どちらかというと、直接ビジネスにつながる、というよりは、まずは自分の好奇心や興味を満たしてくれ、その中でセミナーなどに参加しながら自己研鑽できる組織に所属しているつもりです。そしてその会の仲間と徐々に親交を深めていき、結果的に仕事の受発注につながってきたものもいくつかありました。

 私の場合は、女性ならではのライフステージで、自分の環境の個性を考慮しながら無理のない人脈づくりを心がけました。みなさんもまず自分という個性を考慮しながら、人脈という資産を築いていくとよいでしょう。

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