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夏を制するのはどれだ?

2007年上半期CPUクーラー最強王者決定戦!

2007年08月16日 23時00分更新

文● 宇野 貴教

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やはり性能はそれなりな純正クーラー

 それでは各CPUクーラーの冷却性能をチェックしていこう。計測はすべてOC状態で行なっている。温度は定格電圧アイドル時、定格電圧高負荷時、昇圧高負荷時の3パターンを計測している。マザーボードはケース内には取り付けずに検証台の上に設置し、室温はエアコンで28℃の状態に保っている。CPUクーラーのファン制御は一切行なっていない。
 リテールボックス付属の純正クーラーは、定格電圧高負荷が65℃でなんとか実用範囲内だが、0.1V昇圧すると71℃と、常用するにはかなり不安な数字となる。この数字を比較の基準として、各CPUクーラーの計測に進むことにする。

リテールクーラーのCPU温度グラフ

リテールクーラーのCPU温度グラフ(単位:℃)


トランスフォーマーばりのユニークな開閉ギミックを搭載
Auras「CTC-868」

一見するとよく見かけるデュアルファン仕様のCPUクーラーに見えるAuras製の「CTC-868」。がしかし、ご覧の通りかなり衝撃的な“変形”を遂げる。まさにCPUクーラーの“トランスフォーマー”状態である

 Aurasの「CTC-868」は、円筒上の大型フィンを採用する大型CPUクーラーで、ファンはフィンの両サイドに計2つ搭載する。一見すると普通の大型CPUクーラーだが、上部のツマミを掴むとCPUクーラーが3つのユニットに分離するというユニークな機構を搭載している。ファンが1つが吹きつけ、もう1つが吹き出しになっているので、吹き出しの方を傾けてビデオカードやチップセットのヒートシンクに向けることで、これらの冷却も同時に行なうことができるのがポイントだ。
 ユニークな機構も注目だが、大型フィンとデュアルファンによる冷却性能も期待したいところである。結果は定格電圧高負荷が56℃、昇圧高負荷が62℃で、他の製品と比較するといまひとつな数値。面白いギミックではあるが冷却性能は高くないと言えるだろう。ファンレスビデオカードやチップセットのヒートシンクへ効果的に風を送りたいという人向けであろうか。

「CTC-868」のCPU温度グラフ

「CTC-868」のCPU温度グラフ(単位:℃)


サイドフローでマザーボードに風を送るスカートを搭載
クーラーマスター「HYPER TX2」

銅製ベースに3本のヒートパイプからアルミフィンへと熱伝導させ、搭載ファンの風力でマザーボード部へ風を送り込むことが可能なエアフロースカートを搭載すのが特徴

 これまで「HyperTX INTEL」、「HyperTX AMD」と別々に発売されていた製品を、リテンションを改良することでLGA775とSocket AM2/939の両ソケットに対応させたCPUクーラー。放熱フィンはエアフロースカートで覆われており、ファンの送り出した風の一部をマザーボードへ吹き付ける仕組みになっている。搭載ファンは9cmタイプで回転数は1800rpm。LGA775ソケットの取り付けは、純正クーラーと同じ4つのピンを押し込むことで固定するタイプなので装着は簡単だ。
 冷却性能はあまり高くないようで、純正クーラーを除くともっとも高い温度となった。ただ、純正クーラーより冷えるので、装着に手間をかけたくない、チップセットのヒートシンクも冷やしたい、お手頃価格のCPUクーラーが欲しいという人向けとなる。

「HYPER TX2」のCPU温度グラフ

「HYPER TX2」のCPU温度グラフ(単位:℃)

(次ページへ続く)

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