林優子さん
株式会社システム・テクノロジー・アイ オラクル認定講師
オラクル マスターは、データベース管理者にとって必須とも言える資格だ。ブロンズにはじまり、シルバー、ゴールドと上級になるほど、さまざまな状況に即した判断ができるスキルがあることの証明となっている。この中で、データベース管理者の登竜門であるオラクル マスター ブロンズ試験(オラクルデータベース10g)は、入門クラスであるからといって、素通りできない“受験の意味”があるという。そこで試験対策や心構えなどを、オラクル認定の研修を行なうシステム・テクノロジー・アイの林優子さんに聞いた。
単なる入門試験にあらず オラクル マスター ブロンズを受験する意義とは
オラクル マスター(オラクルデータベース10g)は、ブロンズ、その上のシルバーとゴールド、プラチナ4段階に設定されています。ブロンズはオラクルマスターの最初の認定資格なので、これからOracleをはじめたいと言う方々が多く受験します。新入社員研修のゴールとして受験させている会社も多くあるようです。
ブロンズの試験は入門編的な位置付けではありますが、データベース管理者として最低限必要とされるスキルが試される試験です。ですから、ブロンズを単なるシルバーやゴールドの受験資格と見るのではなく、データベース管理という仕事のしっかりとした基礎づくりのための試験と捉えて下さい。
オラクルデータベースが9iから10gにバージョンアップした際、ブロンズの試験範囲には「バックアップ」や「リカバリー」などのやや高度な事柄も含まれるようになりました。これは「オラクル マスターの資格を持っている人は、データベース管理の仕事の全般について知っているべきである」という考えに基づいて実施されたことなのです。広い試験範囲に“難しさ”があると思いますが、だからこそブロンズの受験勉強を通して、データベース管理者の基礎を築けると考えて下さい。いずれ必ず実際の業務上での実力につながるでしょう。
試験対策 実務で意識していないことが出題される!
試験範囲の広さが特徴であることを述べましたが、オラクル マスター ブロンズは入門レベルですので、それほど深い知識が要求される試験問題が出題されることはありません。たとえばバックアップというテーマで考えた場合、ブロンズではバックアップに関連する用語とその意味が理解できればよいというレベルです。
しかし、ここにはポイントがあります。実際に仕事をする上では、作業の内容を覚えていれば用語を知らなくてもそれほど問題にならないかもしれません。でも試験では、細かい差異が問われることもあります。データベース管理を経験している受験者は、特にその点に注意する必要があるかもしれませんね。そのことを踏まえて、次の例題を見てください。
■問題
名前解決に関する文章において、括弧の中に入る文字として正しい組み合わせを選びなさい。
ユーザーは( 1 )を送信し、Oracleデータベースに対する接続要求を開始します。( 1 )には、ユーザー名、パスワードおよび( 2 )が含まれます。ローカルネーミングメソッドを使用する場合、( 2 )はサービスの別名である( 3 )です。ローカルネーミングの場合、( 3 )は( 4 )にマッピングされ、接続処理が行なわれます。
a. 1:接続文字列、 2:接続識別子、 3 :ネットサービス名、 4 :接続記述子
b. 1 :接続文字列、 2 :ネットサービス名、 3 :接続識別子、 4 :接続記述子
c. 1 :接続識別子、 2 :接続文字列、 3 :ネットサービス名、 4 :接続記述子
d. 1 :接続記述子、 2 :接続識別子、 3 :ネットサービス名、 4 :接続文字列
e. 1 :ネットサービス名、 2 :接続識別子、 3 :接続文字列、 4 :接続記述子
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