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浴衣美人と最新クアッドコアCPUに大注目!

AMD、日本初公開のPhenom FXを披露した“AMDの夏祭り”を秋葉原で開催

2007年08月13日 00時20分更新

文● 編集部 小西利明

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Phenom FXだけじゃない!? 日本初公開が連発のイベント

パートナー企業のイベントに続いて兄貴こと土居氏によるイベントが始まる頃には、狭いカフェソラーレの店内は足の踏み場もないほどの人の入りとなっていた。店の外にもステージを映したモニターテレビとスピーカーが設置されており、店内外をあわせれば優に100人を超える来場者がつめかけていた。

お詫びと訂正:掲載当初、土居氏のお名前を誤って記載している部分がございました。訂正するとともに、お詫びいたします。(2007年8月13日)

“兄貴”こと土居氏

イベントの大トリを務める“兄貴”こと土居氏。右手のタワー型マシンがPhenom FXのデモ機

“AMD Phenom FXデモンストレーションと兄貴の最新ロードマップ”では、3つの“日本初公開”が披露された。“2009年までのデスクトップおよびノート向けプラットフォームのロードマップ”と、“Phenom FXによるマルチタスクのデモ”“Athlon 64 X2 6400+の発表”である。

最初に説明された“2009年までのデスクトップおよびノート向けプラットフォームのロードマップ”は、米国で先頃行なわれたアナリスト向けイベントで公開された内容を凝縮したもので、日本の一般消費者向けイベントで公開されるのは初の情報である。

2009年までのデスクトップおよびノート向けCPUのロードマップ

2009年までのデスクトップおよびノート向けCPUのロードマップ。AMDのCPUロードマップが一般消費者の前で解説されるのは、非常に珍しい機会と言える

まずデスクトップ用プラットフォームでは、同社が“STARS CORE”と呼ぶクアッドコアCPU“Phenom”(関連記事)ファミリー(コード名Barcelona)が2007年中に投入される。高速化されたインターコネクトバス“HyperTransport 3.0”(HT 3.0)や、3MBの共有型3次キャッシュ内蔵などの特徴を備える。製造プロセスは65nmで、チップセットとしては“AMD RD790”シリーズが対応する。

2008年にはSTARS COREシリーズの後継として、製造プロセスが45nmに微細化されたバージョンが投入される(65nm世代は過渡期という扱いのようだ)。クアッドコアやHT 3.0などの特徴は変わらないが、3次キャッシュが3倍の6MBに増量される。アーキテクチャーの変更は小幅ながら、微細化によるキャッシュ増やクロック周波数向上などで、パフォーマンスのさらなる向上が期待できそうだ。チップセットには“RD 8xx”シリーズが予定されている。

そして2009年には、“Bulldozer”(ブルドーザー)と呼ばれる45nm世代のCPUが投入される。アーキテクチャーが大きく改良されて最大8コア(Octal Core)が搭載されるほか、DDR3メモリーへの対応や新ソケット“AM3”の採用も行なわれる。ライバルである米インテル社は、2008年にはDDR3メモリーを採用すると見られているが、1年遅れになることについて土居氏は、メモリーコントローラーをCPUに内蔵する設計側に起因する理由と、メモリーモジュールが高価な時期に採用するのではなく、こなれた価格で市場に流通するタイミングに合わせるという同社の方針によるものと述べた。しかし、Bulldozer以前のCPUでのDDR3対応の可能性についても、含みを残している。

一方のノート向けについては、2007年中は65nm版のTurion 64 X2と、DirectX 9世代のGPU内蔵チップセット“RS690M”を投入する。2008年にはコード名“Griffin”(グリフィン、関連記事)と呼ばれるノート向けデュアルコアCPUが登場する。ノート向けに電力制御機能を強化しており、65nm製造プロセスで2MBの内蔵2次キャッシュ(各コア1MB)、HT 3.0を備える。チップセットも大きく進化し、DirectX 10対応GPUを内蔵する“RS780M”が登場する。GPU機能部には、Radeon HD 2600/2400シリーズが内蔵するHDビデオデコード機能“UVD”(Universal Video Decorder)が内蔵される。これにより、低速なCPUとチップセット内蔵グラフィックスでも、次世代DVDの映像デコードが可能になるとしている。さらにRS780Mは、マザーボード上に搭載するフラッシュメモリーによる高速化機能“Hyper Flash”もサポートする。

そして2009年には、GPU機能をCPU内に搭載する“Fusion”タイプのCPU“Bobcat”(ボブキャット)が投入される予定だ。ただしFusionタイプのデュアル・クアッドコアCPUは、ノートだけでなくデスクトップCPUにも投入されるという点が、新しい情報であると土居氏は述べた。

期待のPhenom FXはベンチはなし
しかし性能の強力さはアピール

ロードマップ解説に続いて、いよいよ来場者の期待が集まるPhenom FXのデモが披露された。Phenom FXはPhenomファミリーの最上位に位置するクアッドコアCPUで、市場セグメント別ではAthlon 64 FXの後継に当たる。

Phenom FXデモ機の内部

Phenom FXデモ機の内部。多くの来場者が盛んに写真を撮っていた。さすがにCPU単体の披露は行なわれなかった。残念!

デモ機の構成は、Phenom FXの3.0GHz版、Radeon HD 2900 XTの2枚差し、RD790チップセット、3GBのメモリー、Windows Vista Ultimateという構成であった。この構成上で3DゲームやGoogle Earthを動かしながら、さらに仮想マシンソフト“VMWare”で2台分の仮想Windows XPマシンを実行する(しかも1台分の上ではビデオ再生を行なう)という、非常に負荷の高いマルチタスキング(同社の言うところのメガタスキング)デモが披露された。ベンチマークテストの実行なども期待されてはいたが、今回は残念ながら行なわれなかった。

Phenom FXによるメガタスキングのデモ

Phenom FXによるメガタスキングのデモ。3Dゲームを動かしながら、同時に仮想マシンを2台実行している。にも関わらずCPU負荷は50%前後にしかならなかった!

デモでの各仮想マシンにはそれぞれCPUが2コアずつ割り当てられており、4つのコアの性能が巧みに配分されているのがうかがえた。しかも、これだけヘビーな処理を同時にこなしながら、CPU使用率は各コア平均で50%以下という程度だから驚きだ。GPUも含めてエンスージアストな環境とはいえ、Phenom FXの高いポテンシャルが期待できる。製品の登場が待ち遠しいCPUと言えよう。

3つめの日本初公開である『AMD Athlon64 X2 デュアルコア・プロセッサ 6400+ Black Edition』は、今回のイベントに合わせて世界で最初に日本で発表された。具体的な内容については関連記事を参照していただきたいが、シリーズ最速のクロック周波数3.2GHzを実現した最速CPUとなっている。パッケージも高級感を演出したマットブラックな箱を採用している。CPUクーラーの類は付属しないが、性能の高い市販のCPUクーラーを使用することでユーザー好みのマシンを構成するのに適したCPUであり、付属クーラーは必要ないという判断があったようだ。

Athlon 64 X2 6400+ Black Editionのパッケージを披露する土居氏

Athlon 64 X2 6400+ Black Editionのパッケージを披露する土居氏。ハイエンドCPUならではの高級感を重視している

長丁場のイベント中、会場は常に満員に近い大盛況の状態で、次世代のAMD CPUに対する自作パソコンファンの期待の高さが示されたと言えるだろう。Phenomファミリーの登場が待ち遠しい。

イベント最後には恒例の“プレゼント争奪じゃんけん大会”も

イベント最後には恒例の“プレゼント争奪じゃんけん大会”も。途中で席を立つ来場者もほとんどなく、大盛り上がりのイベントとなった

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