“代わりは他にもいる”という危機意識 そこで勝ち抜く営業方法とは
営業のために有限会社化したという牛嶋さんは、「営業」をどのように捉えているのだろうか。
「独立した当初は名刺の渡し方さえ分かりませんでした。そこで、営業に関する本をたくさん読んで勉強しました。後はトライ&エラーの連続です。おもしろいことに少しずつ営業できるようになると、開発の仕方にも変化が表われました。直接お客さんと話をすることで要望がダイレクトに伝わってくるので、お客さんの潜在的な要望までも開発に反映できるようになったのです。また、話し方1つをとっても、伝わりやすい表現を使うようになりました。開発したシステムは、ユーザーやお客さんが使って初めて生きるものです。営業をするようになってお客さんの視点をより強く意識できるようになりました」
牛嶋さんに営業のアドバイスを聞いたところ「何か仕事がないですかね? と聞くようになってはダメ」だと強調した。仕事の受注を周りの人間にたよるようになる前に対策をとらなければならないという。たとえば、いろいろな人に会って自分ができることを話す、Webサイトの仕事募集に応募するなど、常に手を挙げて自分をアピールし続けなければならないのだ。
「営業はアポイントをとり、自分ができることを聞いてもらうところから始まると思います。そして次のステップは、自分のスキルや経験を説明するときに『この会社に任せてみよう』と思われるように話すことを心がけることでしょう。独りよがりの説明では、営業はうまくいきません。あと、連絡先を交換させていただいた会社には、頻繁にフォローのメールを出しています。小さな会社なので、競合はたくさんいます。それゆえお客さんに忘れられないようにアクションを起こし続けることが必要なのです。プログラムを作るのが本職ですが、気がつけば1日中営業活動をしていることもあります。それくらい営業を大事なものとして捉えています」
■バックナンバー第1回 “技術があるから成功する”と思うべからず
第2回 起業という孤独を乗り越えるには
第3回 出資を募るときは“自分の腹の内を見せろ?”
第4回 ITスキルゼロからIT企業設立の不退転
第5回 社内コミュニケーションの重要性と人とのつながりの大切さ
第6回 会社の“規模”とは、どう考えるべきものなのか
第7回 “競争”だけではNG。プロマネの独立に必要な「同業者同士の連携」の発想とは
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