“波待ち”の暇なときこそ、音楽が楽しめる
iPodの準備も終わったので、Yさんに実際に海に入ってもらった。実はこの日はほとんど波が立たず、Yさんいわく「普通はサーフィンしない」状態とのこと。サーファーはいい波が来るまで波間に漂って待っていなければならないが、必然的にその待ち時間が長くなってしまう。しかし、今回は“完全防水のiPod”が手元があるため、そんな暇な時間も意外と楽しめたそうだ。
Yさんによれば「ボタン、ホイールともに使いやすかった。ヘッドホンは装着感もよく安定してたけど、まれに水に落ちた勢いで外れてしまったこともあった」とのこと。また、音質については「普段からそんなにいいヘッドホンで聴いていないので、気にならなかった」という。筆者が聴いてみたところ、昔のAMラジオのような高域が抜け落ちた“丸い音”であまりいい音とは思えなかったが、防水ヘッドホンという特殊なジャンルでそこまで音質を求める人もそう多くないだろう。
【まめ知識】ショートボードとロングボード
サーフボードはボードの長さによって、ロングとショートに分けられる。ロングはおよそ9フィート(約270cm)以上のもので、安定感があって初心者でも比較的乗りやすいが、反面細かな操作が難しい。ショートは小さな波ではボードの上に立ちにくいが、オフザリップ(波の頂点に向かってボードを当てて切り返す技)などのダイナミックな技を楽しみやすい。
日曜サーファー、おじさんサーファーに最適
最後にYさんの感想をまとめていこう。総合的には「よかった」と評価していたが、「首掛けスタイルでiPodだと重い。iPod nano用のほうが軽くていいかも」と多少重さが気になっていたようだ。
今後は、米国で発表されている第2世代iPod shuffle用の防水ケース『iS2』が国内でも取り扱われるようになれば、より重さを気にせずにウォータースポーツを楽しめるようになるだろう。ちなみに、実際に第5世代iPod(60GB)を防水ケースに入れた状態で重さを計測してみると、約330gだった。
続けてYさんに自分でこのケースを買うかどうかと問うと、「買わない」とキッパリ。その理由を「ネットで調べて波がいい日にしか海にでないし、そんな状況だったら音楽なんか聴いている暇がない」と説明していた。自転車などですぐに海岸に出られる、地元民ならではの感想だろう。
逆に言えば、休日に遠方からやってくる日曜サーファーや、ロングボードでまったり波乗りしたいおじさんサーファーにはピッタリの製品といえる。
またYさんは、「サーフィンよりも水上バイクに向いているかも。ダイビングは防水ヘッドホンがゴーグルに重なって装着できるかどうか分からないけど、もし付けられるのなら水中散歩の案内をiPodで行なうなんてサービスもいいかもね」と提案。また、「スノボとかのウィンタースポーツのほうがウケそう」とも語っていた。
おおむね評価の高かった今回のWaterproof case for 5G iPod。ケースとヘッドホンを合わせて2万円超とやや値は張るが、水中/水上レジャーの機会が多い人は、その価値を十分に見い出せるだろう。
【まめ知識】最近のトンビは“ハンバーガー”をさらう
湘南の江ノ島海岸や七里ケ浜のあたりで気をつけたいのはトンビだ。上空から人間の持つ食べ物を狙っていて、隙を見せるとサッと持っていく──というのは地元民にとって割と有名な話らしい。
特に七里ケ浜前のファーストキッチン(Google Mapsではこの位置)では「トンビに注意」の看板もあるように、被害が続いている。最近のトンビは油揚げではなく、ハンバーガーをさらっていくのだ。
そのほか、江ノ島海岸では、近くのマクドナルドで買ったハンバーガーをカラスに食べられたり、バーベキューで焼けたばかりの肉を持ち上げた際にかっさらわれたという例もあるという。