企業参入が進むYouTubeだが
YouTubeは、6月20日に9ヵ国向けにローカライズされたバージョンの公開を開始。国内では“SkyPerfecTV”が、他社に先駆けてYouTube内にブランドチャンネル(パートナー向けの専用チャンネル)を開設した。また、昨年8月からいち早くYouTube上でのコンテンツ配信を行なってきた“TOKYO MX”も7月12日に、地上波テレビ局としては初めてYouTube内にブランドチャンネルを設けている。
その後、7月25日に角川デジックスが映像向けデジタル指紋技術の実証実験に参加することを表明。さらに昨日から今日にかけて、(株)GDHが傘下のアニメーション制作会社ゴンゾ(GONZO)のコンテンツを配信する“GONZO DOGA”、吉本興業(株)が“吉本興業”と“ZZZ.TV”を開始することを発表。(株)ミクシィも“mixi”とYouTubeの連携機能を追加するという発表を行なった。
(株)GDHの取締役副社長兼COOの内田康史は「YouTubeは、ある意味でチャンス」と話す。アニメコンテンツは、DVDを売ってもうけるというビジネスモデルが主流となっており、コンテンツそのものの認知度を高める上では、たとえグレーな領域であっても多くのユーザーの目に触れる機会が増えることはプラスに働くという意味だろう。
一方、吉本興業(株)執行役員 経営・財務戦略室長 兼 (株)ベルロックメディア代表取締役の中多広志は「ユーザーは何も違法コンテンツを探したいわけではない。(正当な手順でアップロードしたコンテンツが)ここにあると明示できれば、それを見にきてくれる」とコメントした。
今後もユーザーの関心を集め続けられるか?
YouTubeにおいて、著作権侵害への対応強化が進むなか、違法コンテンツの登録先は、YouTube以外の動画配信サービスや、BitTorrentなどを利用したP2Pのサービスに移りつつあるという指摘もある。日本においてYouTubeが、この先もユーザーの関心とトラフィックという観点で“中心”であり続けられるかどうかは分からない。
確かなのは、YouTubeというサービスのあり方に転換が必要だとグーグルが考えており、その転換が確実に進みつつあるということだ。