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BIツールベンダーからCPMソリューションベンダーへ――コグノスが新戦略

2007年07月25日 21時02分更新

文● アスキービジネス編集部

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コグノスは7月25日、東京都内で会見し、今後の日本における事業戦略について説明した。BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールベンダーとして知られる同社は、今年9月にCPM(企業業績管理)製品を国内に投入し、CPMソリューションベンダーへの脱却を図っていく。


今年9月に「Cognos 8 Planning」を市場投入へ


BIツールベンダーからC PMソリューションベンダ ーへ――コグ...

コグノス 代表取締役社長 岡本克司氏

「コグノスといえば“BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールベンダー”だったが、すでに海外では“CPM(企業業績管理)ソリューションベンダー”へと変革している。いよいよ日本でもCPMソリューションを立ち上げていく」。コグノス代表取締役社長の岡本克司氏はこう宣言した。

 岡本氏が話すように、コグノスはBIツールの専業ベンダーとして知られる企業だ。「日本ではBIに特化してこれまで展開してきた」(岡本氏)ことから、現時点での日本法人の売上のほぼ100%はBI関連となっている。しかし、日本を除く海外では、数年前からBIに加えてCPM(企業業績管理)ソリューションを提供しており、ガートナーはBIとCPMの両市場におけるリーダー的な存在としてコグノスを位置づけている。

 これまでCPMが日本で提供されていなかったのは、製品の統合やローカライズに時間がかかっため。「グローバルで明確に“CPM市場のリーダー”を打ち出していく中で、日本だけ出遅れてしまっていた」と岡本氏は明かす。

 コグノスがこの日、発表した事業戦略の柱は、CPMソリューションを日本市場に対して本格的に投入していくというものだ。具体的には、経営計画の作成や業績モニタリングを支援する「Cognos 8 Planning」の日本語版を今年9月に発売する。

 コグノスはCPM分野への進出を「ツール販売からソリューション提供へのビジネスモデルの転換」(岡本氏)と位置づけ、組織変更やパートナー戦略の改革にも着手している。特に、CPMはBIに比べて、導入後の実際の活用方法を含めた広範な顧客向けの支援が必要となる。「これまでは顧客との距離が遠かった」(同氏)との反省に立ち、CRM(Customer Relationship Management)/PRM(Partner Relationship Management)体制を整えることで、CS(顧客満足度)の向上に取り組んでいくという。

 営業体制も強化する。主要大口顧客としてグローバルで175社、日本では国内企業12社と日本支社を持つ外資系企業110社に狙いを定め、専任の営業担当者を配置。パートナー戦略では、従来の販売代理店中心から、インテグレータやコンサルティングファームの開拓による再構築を進めている。

 さらに、ベストプラクティスを提供するための基盤として、「イノベーションセンタ」を開設する。同センタでは「Performance Blueprints」と呼ばれる業種・業務別のテンプレート(ベストプラクティス集)を用意し、利用できるようにする。

 こうしたCPMを中心に据えたソリューション展開で、コグノスの日本法人が目指すのは、向こう3年間継続して毎年25%の売上成長を遂げるというもの。「CPM製品とBIとは密接に関係しており、CPMの投入によって全体の売上が上がる相乗効果にも期待している」(岡本氏)。BI/CPM市場は専業ベンダーに加え、マイクロソフトやオラクルなどの参入が相次ぎ競争が激化しているが、岡本氏は「市場全体が広がるという意味で我々は“ウェルカムだ”」と自信を示す。

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