もうひとつの注目点はメモリー周りの改善
メモリーは、単に内蔵メモリーの容量が2倍になったというだけでなく、曲データの保存先として新たにmicroSDカードや本体のATRACフォルダーが追加された。これにより、どの形式の曲データをどこに入れるかといったメモリーのやりくりがしやすくなっているのだ。表にするとこうなる。
曲データ方式ごとの保存メモリー先一覧
使用する音楽管理ソフト | 曲・動画データの形式 | データの保存先 |
---|---|---|
au Music Port | 着うたフル | 本体、microSD、メモリースティックマイクロのデータフォルダー |
ビデオクリップ | ||
CDから読み込んだ曲 | ||
SonicStage | ATRAC形式の曲 | 本体、メモリースティックマイクロのATRACフォルダー |
付属の音楽管理ソフト“SonicStage”での曲データはATRACフォルダーに転送し、“au Music Port”で管理する曲データはデータフォルダーに転送する。ATRAC形式の曲データは最大1.5GB分(1曲あたり3MBとして約500曲)を持ち歩けるが、miciroSDカードにはATRACフォルダーを作成することはできない。さらにメモリーカードは2枚同時に挿すことはできない、といった制約がある。
ただし、ATRACフォルダーを消去する場合は同フォルダーの中身が削除され、ATRACフォルダーを元に戻す(再度、領域を確保する)場合は、データフォルダーの中身が削除される。両フォルダーを使い分けている場合は、再度曲データを転送する手間が生じることになるので覚えておこう。
着信時に音楽が一時停止されるように
細かいところでは、音楽再生中に着信した際の挙動が改善されている。
これまでは通話中も曲を流し続ける処理がされていたため、通話が終わる頃にさきほどの曲を聴こうかとすると、もう次の曲に行ってしまっている、なんてことがあった。しかし、W52Sでは着信があると自動的に一時停止になり、通話が終わると自動的に元の位置から再生されるので、元の位置を探して巻き戻す手間がいらない。これまで聴いていた曲の続きが聞けるというのは単純に嬉しい。
ただ残念なことに、着うたフルとATRAC形式の曲データを両方とも聞ける状態にしておきたいとすると、2種類のPCソフト(au Music PortとSonicStage)を併用し続けなければならない。
また、現在の仕様ではATRAC形式の曲データをプレイリストに登録することはできず、ATRACユーザーには使いづらい側面もある。
以上の点からW52Sは、メインはあくまでもau Music Portで、SonicStageはサブ程度に使えれば、という人にピッタリの音楽ケータイと言えそうだ。