日本アイ・ビー・エム(IBM)とIBMビジネスコンサルティング サービス(IBCS)、SAPジャパンは7月4日、協業関係を強化すると発表した。
専任組織やラボの開設でエンタープライズSOAを推進
7月4日、日本IBMとSAPジャパンが共同で開催したカンファレンスイベント「IBM/SAP Business Innovation Conference」(詳細=関連記事)。挨拶に立ったSAPジャパン代表取締役上級副社長の八剱洋一郎氏は、「SAPの日本におけるビジネスは大変好調。今年第一四半期(1~3月)は対前年度比で2桁成長だった」と報告。「好業績はすばらしいパートナーのおかげ。そのパートナーを率いてリードしているのがIBMだ」と紹介した。
同日、日本IBMとIBMビジネスコンサルティング サービス(IBCS)、SAPジャパンは3社の協業関係を強化すると発表した。協業は主にSAPが取り組む「エンタープライズSOA」(E-SOA)について行なわれる。具体的には(1)IBCSへのSAP専門営業チームの設置、(2)イノベーション・ラボ(仮称)の新設、(3)パートナー施策の強化――の3点である。
(1)では、IBCSのバリュー・デリバリー・センター(VDC)内に、20名からなるSAP専門の営業チームを設ける。VDCはSAP製品を使ったシステム導入の支援などを手がけており、今回、専任の営業体制を敷くことで一貫したサービスを提供できるようにする。
(2)のイノベーション・ラボは、「現在のE-SOAのアーキテクチャを見て触ってもらいつつ、実証していくための組織」(八剱氏)。IBMの「SOA Industry Roadmaps」「SOA Foundation」といったツールを使い、SAPと組み合わせたSOA環境のデモと検証を行なう。
(3)のパートナー施策では、SAPジャパンと日本IBMがそれぞれ抱えるパートナー企業を相互に支援する。IBMのパートナー企業にはSAP ERP、SAPのパートナーにはIBM DB2の勉強会を開き、パートナーのスキルアップを図るという。また、IBMが持つSAPシステム環境の診断ツール「IBM Insight for SAP ERP」を国内で展開する。
八剱氏は、「SAPは緊密にアプリケーションを連携させることにこれまでずっと腐心していた。そして到達したのがE-SOAだった」と話し、今回の協業によってE-SOAへの取り組みをさらに強める考えを示した。