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導入設定がカンタン! Mac対応“イーモバ端末”

【レビュー】D01HW (後編)

2007年07月05日 15時30分更新

文● 池田冬彦

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セキュリティ対策は必須


D01HWを使う上で覚えておきたいのは、セキュリティー面だ。インターネットに接続すると、まさにMacがインターネットと直結する。ADSLルータやブロードバンドルータを利用してアクセスしている場合と違い、マシンがインターネットに”むき出し”の状態になる。例えば、“パーソナルファイル共有”を有効にしていると、誰もがインターネット経由でマシンにアクセスできるようになってしまうのだ。

インターネットには、直接アクセスできるコンピュータがないかどうかを、探査ツールで自動的に調べまわっている輩がたくさんいる。もし、そんな輩の目に止まってしまったら、パスワードが破られて侵入されてしまう危険もある。

また、Boot CampなどでWindowsを使っている場合はさらに危険度が高く、ネットに接続しているだけで感染するウィルスにやられてしまったり、クラックツールを使われる危険が高い。何も対策しないでいるのは「どうぞ侵入してください」と言っているようなものだ。

Mac OS Xは“ファイアウォール”機能を備えているが、これははっきり言って役に立たない。もし、うっかりファイル共有機能をオンにしていたら、ファイアウォールはその通信を許可するように設定される仕様だからだ。仏インテゴ(intego)社の『Internet Security Barrier』といった個人向けセキュリティーソフトの導入は必須だろう。

Ping攻撃

『Internet Security Barrier』を導入したMacBookでD01HWを使っていると、多い時で10分に1回ぐらいの頻度で、インターネットからの探査行為を検出する

接続ログ

Internet Security Barrierに含まれる『NetBarrierX4』のログを開いたところ。結構な頻度で不正アクセスが行われていることがわかる



管理ツールなど、改良してほしい点も


さて、ひと通りD01HWを見てきたが、まだまだ出たばかりということもあり、改良して欲しいと思う点もいくつかある。まず挙げられるのが、Mac版のツールが少々貧弱なこと。付属する『D01HW管理ツール』は、接続先のネットワーク設定やパスワード設定が行えるだけで、電波の強度を知ることすらできない。

また、これまで使ったデータ量(パケット数やデータサイズなど)もわからない。7月から140952パケットを超えたぶんから従量課金となる“ライトデータプラン”も登場したこともあり、今どのくらいパケットを使っているのか簡単に分かる仕組みが欲しいところ。このあたりは、すでにWindows版の管理ツールでは実現しているので、Mac版でも早急な対応が望まれる。

前編でも述べたが、イー・モバイルのサービス自体が今年立ち上がったばかりということもあって、基地局の数はPHSに比べると圧倒的に少なく、利用エリアが都市部に限られる。また、ちょっと離れた田舎に移動するとつながりにくく、まだまだ十分ではない。



結論、D01HWは買いか?


国道16号線を基準とする関東近郊エリア内や、名古屋、大阪や京都、神戸など関西の都市部、仙台、札幌、北九州、福岡などの都市部を中心に移動するユーザであれば、D01HWの恩恵がフルに受けられる。PHS通信では得られない高速なインターネットアクセスが、リーズナブルな利用料金で使えるのは大きい。

また、1年の長期契約プランに加入すると、端末価格が2万4000円割り引きの9980円で購入できるというのも大きな魅力。1年後からは“年とく割”に加入することで、月額4980円で使い放題になるというのもお得感が大きい。都市部在住で移動の多いユーザーなら、D01HWは間違いなく”買い”だろう。

ただし、それ以外の地方に居住、移動することの多いユーザーにはまだまだ”待ち”といえる。基地局の増強やエリア拡大の状況をウォッチし、それまでは、公衆無線LANサービスやPHSデータ通信サービスを利用するのが現実的だ。イー・モバイルが現在推進している基地局の増強の成果に期待したい。


お詫びと訂正:初出時、ライトデータプランの価格が誤っておりました。訂正してお詫び申し上げます(2007年7月6日)


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