iPhoneの本当の魅力はハードにあり!?
iPhoneの革新性の筆頭は、直感的なインターフェース──と、言いたいところだが、もしかしたら、ここが実際にモノを触れたことのある人と、そうでない人を分ける境界線かもしれない。
iPhoneのユーザーインターフェースは確かに素晴らしい。だが、それよりもあの優雅で滑らかに動くユーザーインターフェースが、「自分の手のひらにスッポリとおさまる驚くほど薄くて軽くて、手触りのいい機械で現実に動いている」という事実に圧倒されてしまう。“技術の粋(すい)”という言葉で形容できる製品に、本当に久しぶりに出会えた印象がある。
スティーブ・ジョブズCEOは今年1月のMacworld Expoにて、「iPhoneを見た後では、すべての携帯電話が色あせて見えてしまう」ということを言っていた。しかし、筆者にとっては、iPhoneを触ったあとでは、今日のパソコンまでもが色あせてしまった。
「こんなに小さな機械にここまでできるのに、携帯電話はもちろん、今日のパソコンはいったい何をやっているんだ(なんであそこまで大きくてうるさいのだ)」というわけだ。
この製品に搭載されているのが、もし本当のMac OS Xで、遠くない将来、Mac用のソフトが普通に使えるようになったとしたら、それこそすごいことになりそうだと強く感じた。
製品としての質感もいい。最初は、背面のアップルマークはもう少し目立たないものでもよかったのかな、という気がしていたが、ブランド戦略的に考えればある程度の大きさのロゴマークがあった方がいいに決まっている。何せマーケットシェアの1%を獲得すれば1000万人の人が、このロゴマークを宣伝してくれることになるのだ。
それによくよく眺めれば、下手をすれば無機質で寂しくなりかねないiPhoneの背面にいいアクセントを与えているのかもしれない、とも思えてくる。
(次ページに続く)