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なぜiPhoneは人々を熱狂させるのか?(前編)

2007年07月04日 14時00分更新

文● 林信行 (ITジャーナリスト)、写真●林幸一郎

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iPhoneの本当の魅力はハードにあり!?


手のひらサイズ

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 iPhoneの革新性の筆頭は、直感的なインターフェース──と、言いたいところだが、もしかしたら、ここが実際にモノを触れたことのある人と、そうでない人を分ける境界線かもしれない。

 iPhoneのユーザーインターフェースは確かに素晴らしい。だが、それよりもあの優雅で滑らかに動くユーザーインターフェースが、「自分の手のひらにスッポリとおさまる驚くほど薄くて軽くて、手触りのいい機械で現実に動いている」という事実に圧倒されてしまう。“技術の粋(すい)”という言葉で形容できる製品に、本当に久しぶりに出会えた印象がある。

 スティーブ・ジョブズCEOは今年1月のMacworld Expoにて、「iPhoneを見た後では、すべての携帯電話が色あせて見えてしまう」ということを言っていた。しかし、筆者にとっては、iPhoneを触ったあとでは、今日のパソコンまでもが色あせてしまった

「こんなに小さな機械にここまでできるのに、携帯電話はもちろん、今日のパソコンはいったい何をやっているんだ(なんであそこまで大きくてうるさいのだ)」というわけだ。

 この製品に搭載されているのが、もし本当のMac OS Xで、遠くない将来、Mac用のソフトが普通に使えるようになったとしたら、それこそすごいことになりそうだと強く感じた。

iPhoneの背面

iPhoneの背面

 製品としての質感もいい。最初は、背面のアップルマークはもう少し目立たないものでもよかったのかな、という気がしていたが、ブランド戦略的に考えればある程度の大きさのロゴマークがあった方がいいに決まっている。何せマーケットシェアの1%を獲得すれば1000万人の人が、このロゴマークを宣伝してくれることになるのだ。

 それによくよく眺めれば、下手をすれば無機質で寂しくなりかねないiPhoneの背面にいいアクセントを与えているのかもしれない、とも思えてくる。

ジョブズ

スティーブ・ジョブズCEOは1月のMacworld Expoの基調講演にて、携帯電話機の市場は9億5700万台と解説。「初年度の目標は、市場シェア1%、1000万台の出荷」と語った


(次ページに続く)

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