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Felicaポート搭載タブレットPCも9月発売

インテル、Felicaを活用したシニア向けパソコンやウェブサイトのガイドラインを発表

2007年07月03日 17時49分更新

文● 編集部 小西利明

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インテル(株)は3日、シニア世代やパソコン慣れしていない人向けに、使いやすく安全にオンラインサービスを利用できるシニア向けパソコンとウェブサイトに関する技術要件(ガイドライン)を策定したと発表した。タッチパネル式ディスプレーや非接触ICカード技術“FeliCa”(フェリカ)を使ったパソコンや、操作しやすいウェブサイトデザインなどの要件を定義している。

『Slate DT』(FeliCa組込版)

シニア向けパソコンのガイドラインに沿ったタブレット型パソコン『Slate DT』(FeliCa組込版)。12.1インチのタッチパネル式液晶ディスプレーを搭載する

同日、東京都内ではインテル、マイクロソフト(株)、FeliCa技術を使う電子マネー“Edy”(エディ)を運営するビットワレット(株)の3社が合同で、3社が進める“スマートデジタルライフ推進プロジェクト”(sdlプロジェクト)の進捗状況の説明会を開催した。説明会の中では、ガイドライン策定の発表と、ガイドラインに基づいて制作されたPBJ(株)の“ピュアタブレット型パソコン”と、ガイドラインに準拠したウェブサイトのデモが披露された。

そもそもsdlプロジェクトとは、FeliCaを使うことでパソコンや携帯端末上での安全な個人認証や電子商取引の発展と普及を目指そうというプロジェクトである。sdlプロジェクトが発足した2006年6月に具体的な活動目標として、以下の3点を定めていた。

     
  • FeliCa対応オンラインサービスを倍増
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  • FeliCaリーダー/ライター搭載パソコンと外付けリーダー/ライターの数を3倍増
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  • FeliCa決済によるオンライン取引高を倍増

活動報告とインテルの取り組みを説明したインテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏は、定めた3つの目標のうち、サービス倍増は半年で達成したほか、オンライン取引高倍増は5月に達成、リーダー/ライター3倍増も2007年度末には達成の見込みと発表。「考えていた以上に、かなりのスピードで達成された」と述べて、FeliCaによるオンライン商取引が順調に拡大していることに自信を示した。

吉田和正氏

Slate DTを掲げるインテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏

sdlプロジェクトの初年度の目標と達成状況

sdlプロジェクトの初年度の目標と達成状況。Edyを使ったオンライン決済は着実に浸透しつつある

第1段階の目標達成が確実になったことで、3社は次の段階として、シニア層や主婦層のIT導入を進める施策を推進していく。ここでも核となるのが、FeliCaとEdyを用いたオンライン商取引であり、それを使いやすくするためには、パソコン利用に積極的でない層にも利用してもらえるような、ハードウェアとサービスが必要となる。今回発表のガイドラインは、それを規定したものである。

ガイドラインで規定している“シニア向けパソコン”の望ましいとされる主な仕様は以下のとおり。

CPU:Core 2 Duoプロセッサー(インテルCoreマイクロアーキテクチャー対応CPUまたは同等品)|メモリー:1GB以上|HDD:SSD(フラッシュメモリー)|ディスプレー:タッチパネル式(スタイラス付属)、サイズは9インチ以上、解像度は1024×768ドット以上
FeliCaリーダー/ライター:内蔵|通信機能:IEEE 802.11a/b/g/nのいずれかとEthernet|サイズ:幅394×奥行き293×高さ44mm|重量:約1.5kg|OS:Windows Vista Home Premium、Ultimate|ウェブブラウザー:Internet Explorer 7または同等品

このほかに、USB 2.0を最低2ポートや、ウェブカメラやマイクロホン内蔵、ドッキングステーション添付などが挙げられている。また、意図したとおりに機器が動作しなくなった場合、強い不安を覚える人が多いという観点から、ノートパソコンにはまずみかけないハードウェアリセットボタンの装備も望ましいとされている。操作はタッチパネルで行ない、キーボードの有無は規定されていない。

仕様面を大雑把にまとめると、現在のモバイルノートパソコンと同等のスペックを備えて、FeliCaリーダー/ライターを内蔵したタブレットPCといったところである。しかし、あくまで主眼は、通信機能とFeliCaを組み合わせたオンライン認証・商取引のサービスを、タッチパネルによる分かりやすい操作で使いやすく実現するという点にある。

Slate DTでのFeliCaポートは、タッチパネル上にカードをかざす方式

Slate DTでのFeliCaポートは、タッチパネル上にカードをかざす方式。画面上左下にある水色の角丸四角形が、カードをかざすところ。通常は邪魔にならないように、画面左端に最小化されている

インテルの吉田氏はこの仕様を、「組み込み(機器)に近い」と称した。特定用途向けのウェブアプライアンスではないが、パソコンならではの汎用性よりも、FeliCaベースのオンラインサービス利用を簡単かつ快適に実現することに注力した機器というわけだ。ポータブル機器であるため、バッテリーは必然的に必要であるが、バッテリー駆動時間は規定していない。価格も同様に規定されていなため、技術面では非常に高いハードルがある、という機器ではないだろう。

コレに関連したサービスポータルやウェブサイト側の規定も、分かりやすさと使いやすさを重視したデザインを求めるものが並んでいる。主な規定は以下のとおり。

     
  • リンクの代わりに、クリック可能なボタン状の領域(クリックボタン)を配置
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  • クリックボタンの面積は最低100×30ピクセル。内容を示す文字は読みやすく
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  • 指先での誤操作を避けるため、クリックボタン同士は接近させすぎない。背景の色に溶け込まない色を使う
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  • 水平方向のスクロールをさせない。垂直方向もなしが望ましい。
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  • 個人情報や認証情報は、一度入力されたら(入力方法は規定せず)ポータル側で保持し、ポータル内のすべてのサービスに適用させる
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  • どこからでもトップページに戻れるボタンを、目立つように配置
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  • 電子マネー決済を決済手段のひとつとして用意
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  • 階層は5階層以下が望ましい
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  • ポップアップ画面やユーザーによる“消す操作”が必要な画面の表示は避ける

ガイドラインに対応したウェブページの例として挙げられた“小僧.com”

ガイドラインに対応したウェブページの例として挙げられた“小僧.com”。画面上右端に見える三角ボタンは垂直スクロール、家のボタンはトップページへの移動、左矢印ボタンは“戻る”

これも大雑把に言えば、タッチパネルによる操作を前提とした間違えにくいデザイン、パソコン慣れしていないユーザーにも戸惑いにくいデザインやサイト構成、シングルサインオンを求めたものだ。

発表会では、ガイドラインを元にしたPBJのタブレット型パソコン『Slate DT』(FeliCa組込版、関連記事)が多数出展されており、ガイドラインに準拠したオンラインサービスのデモが行なわれた。Slate DT(FeliCa組込版)は9月下旬発売の予定で、対応サービスは7月から開始の予定。

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