今、新たな高速データ通信用技術“HSDPA”を利用したサービスが盛り上がりを見せてきている。中でも、イー・モバイルが提供する“EMモバイルブロードバンド”は、理論値で下り3.6Mbpsという通信速度を、月額5980円という定額料金で利用できるのが魅力だ。
そのイー・モバイルが23日、初めてMacに対応したUSB接続の通信アダプター『D01HW』の発売を開始した。“初物”ということもあって、モバイルなMacユーザーは気になる人も多いだろう。早速、あれこれ試してみたので、2回にわたって紹介していこう。レビューの要点を簡単にまとめると、以下の5点になる。
- 一番の魅力は“モバイルなのに速くて定額”
- 品川/練馬/藤沢/湘南地域では、実測で1Mbps台後半という通信速度
- ADSLのように上りの通信速度は遅い
- サービスエリアはまだ拡大中で、現在は東京、名古屋、大阪中心
- Macでも導入時の設定が簡単、5分程度で使えた
実測で1Mbps台後半! “アーバン・モバイル”の決定版
まずは一番の魅力である、通信速度に注目だ。23日にD01HWを購入して以来、MacBook-2.0GHz(Core Duo)を使い、神奈川県藤沢市や、東京都練馬区の大泉学園付近、JR品川駅近辺でスピードテストを試してみたが、いずれも通信状況は良好。下りでは、平均1.6〜2.3Mbpsという実効速度が得られた。
1Mbps台後半と言えば、ブロードバンド黎明期にさきがけとして登場した“1.5M ADSLサービス”よりも速いのだ。現実に今でもNTT収容ビルから遠く、1Mbps以下の実効速度しか得られないユーザーなら、D01HWで通信した方が断然速いということも有り得るだろう。このクラスの通信速度であれば、YouTubeなどの動画もストレスなく再生できる。もちろん、通常のウェブブラウズや添付ファイル付きのメールチェックも快適そのものだ。
もっとも、首都圏の人口密集エリアでは、さすがにイー・モバイルも気合いを入れて基地局を多数設置しているに違いない。そこで、これからの季節に役立ちそう(?)な海水浴場でも試してみることにした。向かうは、烏帽子岩を望む、神奈川県茅ヶ崎市の“サザンビーチ”(Google Mapsではこのあたり)。ビーチでMacBookを広げて接続を試みてみると……。
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