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PDFとFlashの統合でプロセス自動化を支援、アドビが「LiveCycle ES」を発表

2007年06月27日 21時37分更新

文● アスキービジネス編集部

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米アドビ システムズは、現地時間6月4日、ビジネスプロセスの自動化を支援する統合スイート製品「Adobe LiveCycle Enterprise Suite」を発表した。これを受けて6月27日、アドビ システムズは、同製品に関する記者向けの説明会を東京都内で開催した。


スイートの構成を見直し、利便性も向上


PDFとFlashの統合 でプロセス自動化を支援、アドビがLi...

米アドビ システムズ エンタープライズ&デベロッパー ビジネスユニット・プロダクトマーケティング&戦略担当バイスプレジデントのジェフ・ワトコット氏

 「Adobe LiveCycle Enterprise Suite」(以下、LiveCycle ES)は、大企業や行政機関などでのビジネスプロセスの自動化を支援するスイート製品。PDFやFlash(Flexアプリケーション)を使ったフロントエンド画面の作成から、承認ワークフロー、PDFやプリンタへの出力、バックエンドの企業システムとの連携までのプロセスをカバーする。たとえば、金融機関の口座の申し込みや各種自治体制度の利用申請など、いわゆる電子申請システムに使う。旧版は、経済産業省や三菱商事などで導入実績がある。

 今回のバージョンの特徴は、「従来のPDF中心から、Flashを含む幅広い環境をサポートした」(アドビシステムズ マーケティング本部公共・法人市場部長の小島英揮氏)こと。従来は「Flex2」として別ラインだった「Flex Builder」をLiveCycle ESに取り込み、「Flex Data Services」の機能を「Data Services」に統合した。新たに搭載した「フォームガイド機能」により、PDFのフォームからFlexフォームを生成することができる。また、開発を進めているリッチクライアントの実行環境「Adobe Integrated Runtime(AIR)」(開発コード名=Apollo)にも対応する。

LiveCycle ESの構成(左)。従来のFlex2を取り込み、構成を見直した(右)

 従来のLiveCycleが個別のソフトウェアの集合体だったのに対して、LiveCycle ESではスイートを構成する各機能を「開発環境」「プロセス自動化」「ドキュメント生成」「情報セキュリティ」と体系化して整理。共通の基盤部分と機能ごとのコンポーネントとに分けた。これにより、インストール作業が一度で済むなど、スイートとしての利便性も向上している。また、従来の日本語版では対応していなかった、Officeファイルの保護機能や、LiveCycleプラットフォーム上での印刷機能などがLiveCycle ESの日本語版では提供される予定だ。

 米アドビ システムズ エンタープライズ&デベロッパー ビジネスユニット・プロダクトマーケティング&戦略担当バイスプレジデントのジェフ・ワトコット氏は、「エンタープライズでのビジネスプロセスを自動化するため、PDFとFlashを技術を統合して新しいソリューションを作った。LiveCycle ESによって、時間短縮やコスト削減を実現し、企業の利益を生み出すことができるようになる」とアピールした。

 LiveCycle ESの日本語版は、今年8月に出荷を開始する予定。同社では、政府機関や金融機関、製造業、ライフサイエンスなどの分野での利用を見込んでいる。

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