シマンテックは、6月25日、重複排除機能を搭載したディスクバックアップ/リカバリソフト「Veritas NetBackup PureDisk」を発表した。8月上旬より出荷を開始する。
重複データのチェックでストレージとネットワーク帯域を大幅に節約
「Veritas NetBackup PureDisk」(以下、PureDisk)は、データ重複排除機能を備えたディスクバックアップ/リカバリソフト。シマンテックの企業向け統合バックアップソリューション「NetBackup」シリーズの1つとなる。
PureDiskは、バックアップ先として「ストレージプール」を構築し、バックアップ元となるクライアント側にはエージェントをインストールする。多拠点での運用に対応しており、拠点ごとに小規模なストレージプールを設置し、本社など中央に設けた大規模なストレージプールにWAN経由でバックアップデータを転送することもできる。

シマンテック 製品統括本部執行役員 足立 修氏
本製品のコアとなる機能は、バックアップ時にデータの重複を排除する機能。企業ではまったく同一のデータが複数のクライアントやサーバに散在することも多い。シマンテック製品統括本部執行役員の足立 修氏によれば、企業のストレージの容量は1年に60%ずつ増加しているが、このうち27%しか実際には使われておらず、重複しているデータとそれ以外のデータの差は、50~500倍にも上るという。こうした状況から、足立氏は「データの重複を防ぎ、ストレージ容量とネットワーク帯域を大幅に削減する画期的な製品がPureDiskだ」と強調する。
PureDiskの重複排除機能では、バックアップするデータがすでにバックアップ済みのものではないか、エージェントが事前にストレージプールと照合。バックアップ済みでない場合にのみ、バックアップストレージへ転送する。「ストレージにデータが転送される前にクライアント側で重複を確認するため、帯域を効率的に使え、ディスク容量も削減できる」(プロダクトマーケティング部リージョナルプロダクトマーケティングマネージャーの浅野百絵果氏)という。
このほか、ストレージ側/転送中のデータの両方に暗号化を適用する点や、ユーザーがキーワード検索で容易にファイルを復元できる機能、Webベースの管理画面なども特徴である。さらに、「NetBackup」本体のコア機能と連携することで、テープベースのバックアップシステムへバックアップデータをエクスポートすることも可能。
シマンテックがPureDiskで狙うのは、多拠点を持つ製造業や金融といった大規模なユーザー企業。加えて、バックアップ/ディザスタリカバリサービスなどを提供するデータセンタ事業者もターゲットとなる。
対応するOSは、Windows/Linux/UNIX(Solaris/AIX/HP-UX)など。参考価格は135万円からで、8月上旬からパートナー企業経由で販売する。
