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ノキアとシーメンスの統合で“実績”と“技術力”が強力な武器に

ノキアシーメンスは日本市場に食い込めるか!?

2007年06月22日 19時50分更新

文● 編集部 橋本 優

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CommunicAsia 2007”に特に力を入れていたのがフィンランドのノキアシーメンスネットワークス社(Nokia Siemens Networks)だ。ただし、日本市場では“NGN”(Next Generation Network)などの次世代ネットワークの計画が着々と進んでいるが、その中で同社の話をあまり聞かない。ここでは同社の日本向け戦略に迫る。

ノキアシーメンスはフィンランドのノキア社とドイツのシーメンス社の通信機器事業を統合した合弁企業で、1年前に統合計画を発表し、今年4月から営業を開始している。今回、CommunicAsia 2007においてアジア太平洋地域担当者によるオープニングイベントおよび各国メディアを招いてのグループインタビューが行なわれた。

先行する日本市場での同社のアドバンテージは?

ラジーブ・スリ氏

ラジーブ・スリ氏

アジア太平洋地域最高責任者のラジーブ・スリ(Rajeev Suri)氏は、2015年までにアジア地域において50億人がブロードバンド接続を行なうと予想。特に2015年にはアフリカや中近東にもブロードバンドが浸透するという。

記事掲載当初、写真および本文にてラジーブ・スリ氏をクレメント・テレオ氏と記載しておりましたが誤りです。お詫びして訂正いたします(2007年6月25日)

そんなアジア市場において、技術的に突出して先を進むのが日本と韓国だ。ノキアシーメンスの日本市場でのアドバンテージについて同氏は、ノキアおよびシーメンスで培った過去の実績を強調した。特に今後日本市場で注力していきたいのは“DWDM”(高密度波長分割多重方式)や“ロングホール”(長距離中継回線)、そして“モバイルWiMAX”といった技術だという。



日本に研究開発拠点は必要?

マイケル・クーナー氏

マイケル・クーナー氏

日本と韓国市場の統轄責任者であるマイケル・クーナー(Michael Kuehner)氏は、日本市場においての2つの可能性と1つの利点を挙げた。可能性のひとつに、技術やアプリケーションが先進的な日本は、WiMAXの実用化など近い将来、劇的な技術的変化が起こるとし、そこで「我々にチャンスが訪れる」という。2つ目に、日本市場向けのビジネス・エコシステムを現在作成中で、これにより「我々の立場が変わる」という。さらに日本は非常に進んだ国であり、「ほかの地域とは違った(マーケティング的な)メリットが得られる」とした。

また、ノキアとシーメンスが合弁という形を取ったことで技術開発が強化されたことを挙げ、これにより日本からの特殊な要望にも対処できると語った。両社の合併に関しては“Value Jam”(バリュージャム)と呼ばれるオンライン会議を開催。3日間で世界各国のノキアシーメンス社員がネットワーク越しに意見交換し合い、全社的に意思の疎通を図ったという。

日本市場には「参入したい」としながらも、同社は日本に研究開発拠点を置いていない実状もある。これについては、きちっとした市場調査を行なっていれば研究開発はどこでもできるとし、日本国内に開発拠点は必要ないとの認識を示した。

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