(株)ジャストシステムが7月20日に発売予定の日本語入力システム『ATOK 2007 for Mac』(以下、ATOK2007、関連リンク)。まだ発売前だが、試用β版を入手することができたため、主要な新機能について前バージョンとの違いを見ていこう。
最新の“ATOK ハイブリッドコア”でより自然な変換結果に
当たり前のことだが、日本語入力ソフトの主な役割は、入力した言葉を漢字仮名交じり文に正しく変換することだ。少しでも早く日本語を入力するために、誤変換のミスを修正するという操作はできるだけ行ないたくないもの。
ATOK 2007ではより精度を高めた最新の変換エンジン“ATOK ハイブリッドコア”を搭載。連続した未確定文字を正しく変換するだけでなく、短い文章の変換時でも確定済みの前後の文脈まで解析して、より最適な文字変換を行なえるようになった。
実際、前バージョンのATOK 2006とATOK 2007では、以下のような文章のときに変換結果が変わってくる。
【例1】ひとがいないかさがしてみる
ATOK 2006……人がいない傘がしてみる
ATOK 2007……人がいないか探してみる
【例2】せきにんかんもともない、しゃかいじんらしくなってきた
ATOK 2006……責任感元もない、社会人らしくなってきた
ATOK 2007……責任感も伴い、社会人らしくなってきた
もちろん新しい変換エンジンになって、すべての場合において変換効率が上がったとは断言できないものの、こうやって記事を作成していても、その変換精度の高さは実感できるほどになっている。
間違えやすい同音語の使用ミスを事前に防止
変換候補に、思った通りのものが出てこないのは、入力ミスにより間違った言葉を入力しているというケースも考えられる。
前バージョンのATOKでは、推測変換/省入力機能/文書校正支援機能/同音語選択支援──といった仕組みなどで、誤入力に対応していた。ある程度の入力ミスも自動的に補完して、未然に防いでくれるわけだ。
ATOK 2007ではこれらに加えて、間違えやすい同音語の警告表示を行なうようになった。もともとATOKには同音語については、用例をあわせて表示する機能が備わっているが、例えば“内蔵”と“内臓”、“以外”と“意外”といった、わかっていても見落としやすい文字をより目立たせるくれるわけだ。
さらに、これらの校正支援の警告表示を用途に応じて使い分けるため、“校正支援モード”の強さを3段階に分けて、すばやく切り替えられるようになった。先ほどの間違えやすい同音語の警告表示は、公正支援モードの中で最も強い“指摘する (強)”のときのみ有効になる機能だ。
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