あくまでも“非常食”。そこだけは忘れたくない
――でも、缶詰だけに味の制約はどうしてもありますよね?
【山田】 僕の本業は、ラーメンでお客さんに喜んでもらうこと。味のおいしさはもちろん大事だけど、おいしさを感じる要素はそれだけじゃないでしょ。なにより、災害時にカンパンじゃなくて汁もの、それもラーメンが食べられるっていうのは幸せなこと。だから、“非常食”であるというスタンスは絶対に忘れたくない。それを忘れたら、ブームで終わってしまう。
――ラーメンの非常食なんて世界初かもしれません。
【山田】 そう。だから、ワールドワイドな目線で、自衛隊の人や世界で活動するボランティアの人にも知って欲しい。非常食としてはもう、ベストヒットでしょ! それに、“非常食”って定義を考えると、なにも災害のときだけじゃないんだよね。めちゃくちゃお腹がすいているのに、誰も作ってくれる人がいない。そういうときでも「らーめん缶がある!」と(笑)。
――今日はゲームに没頭したいなんてときでも「らーめん缶がある!」(笑)。
【山田】 大雨で外に出る気がしない。じゃあ、今日は家で「らーめん缶」パーティだ!(笑)。そういう気分的な“非常時”がやってきても安心。
――こんにゃく麺だからダイエットにもいいですね。
【山田】 毎日食べたら、1ヵ月で3キロ痩せましたとか。女性にも喜んでもらいたいな。そういう意味でも、いろんな味を出して、飽きずにいろいろ食べてもらいたい。今は札幌の味噌味と醤油味だけだけど、「博多ラーメン」とか郷土食豊かな味を出していこうかと。ベトナム風やタイ風なんていうのもいいよね。缶詰として限界はあるから、スープや具の違いで楽しんでもらいたい。
――近々登場する新しい味がありますか?
【山田】 「冷やし麺」を予定しています。昔ながらの和風の甘酸っぱい冷やし中華。これにエビのエッセンス。これは、相当ウケると思うよ~。自販機で買うのが楽しくなる商品になると思う。
【UMAI 山崎】 非常食だからということもあって、“缶パニーくん”というサイトにアクセスするQRコードも付けています。食べたあとの缶のリサイクルを心がけてもらおうという試みです。
(次ページへ続く)
この連載の記事
-
第11回
ゲーム・ホビー
隠れ名物「りんごのコロッケ」の店“肉の鈴鹿”で、女将・房子さんのあたたかさに触れる! -
第10回
ゲーム・ホビー
秋葉原駅前にできた31階建ての富士ソフト秋葉原ビル、映像事業部長・石田氏に聞く! - この連載の一覧へ