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アキバ・キーマンインタビュー 第12回

【アキバ・キーマンインタビューNo.12】

「らーめん缶」の生みの親、麺屋武蔵の店主・山田雄氏に開発秘話を聞く!

2007年06月16日 23時30分更新

文● 子田 聖子

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あくまでも“非常食”。そこだけは忘れたくない

――でも、缶詰だけに味の制約はどうしてもありますよね?
【山田】 僕の本業は、ラーメンでお客さんに喜んでもらうこと。味のおいしさはもちろん大事だけど、おいしさを感じる要素はそれだけじゃないでしょ。なにより、災害時にカンパンじゃなくて汁もの、それもラーメンが食べられるっていうのは幸せなこと。だから、“非常食”であるというスタンスは絶対に忘れたくない。それを忘れたら、ブームで終わってしまう。

――ラーメンの非常食なんて世界初かもしれません。
【山田】 そう。だから、ワールドワイドな目線で、自衛隊の人や世界で活動するボランティアの人にも知って欲しい。非常食としてはもう、ベストヒットでしょ! それに、“非常食”って定義を考えると、なにも災害のときだけじゃないんだよね。めちゃくちゃお腹がすいているのに、誰も作ってくれる人がいない。そういうときでも「らーめん缶がある!」と(笑)。

――今日はゲームに没頭したいなんてときでも「らーめん缶がある!」(笑)。
【山田】 大雨で外に出る気がしない。じゃあ、今日は家で「らーめん缶」パーティだ!(笑)。そういう気分的な“非常時”がやってきても安心。

冷やし麺

新しく登場した「冷やし麺」。冷たいスープがこんにゃく麺と相性ピッタリ。昔懐かしい、甘酸っぱい味

――こんにゃく麺だからダイエットにもいいですね。
【山田】 毎日食べたら、1ヵ月で3キロ痩せましたとか。女性にも喜んでもらいたいな。そういう意味でも、いろんな味を出して、飽きずにいろいろ食べてもらいたい。今は札幌の味噌味と醤油味だけだけど、「博多ラーメン」とか郷土食豊かな味を出していこうかと。ベトナム風やタイ風なんていうのもいいよね。缶詰として限界はあるから、スープや具の違いで楽しんでもらいたい。

――近々登場する新しい味がありますか?
【山田】 「冷やし麺」を予定しています。昔ながらの和風の甘酸っぱい冷やし中華。これにエビのエッセンス。これは、相当ウケると思うよ~。自販機で買うのが楽しくなる商品になると思う。

【UMAI 山崎】 非常食だからということもあって、“缶パニーくん”というサイトにアクセスするQRコードも付けています。食べたあとの缶のリサイクルを心がけてもらおうという試みです。

(次ページへ続く)

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