上司の顔色をうかがうな、お客様を見ろ
──経歴を見ると、理系出身のようですね。金融関係のシステムの開発などを行なった経験もあるようです。
1986年にプリンストン大学のコンピューターサイエンス学部卒で、優等卒業生(Phi Beta Kappa)でもあったそうなので、頭がいい人なんだろうなと思います。私個人のイメージなんですが、Phi Beta Kappaを取るような人って、勉強も遊びもスマートにこなすようなタイプの人が多いんです。
──印象的な言葉はありましたか?
外資系企業が、ほかの国に入って失敗する理由として多いのは、「各地域の担当者がローカルのお客さんではなく、本社の上司を喜ばせようとするから」というのがありました。今回のプライムに関しても、米国で支持されていて、いいプログラムだから日本に持ってきたと。
Amazonプライムは、日本で受け入れられるか
──最後に、今回のサービスに関してですが。
SOHOとかビジネス会員には、いいサービスじゃないかと思います。「文房具を発注したい。すぐ届けてほしい」といった感じで、単価の安い商品を定期的に発注するニーズはありますから。最近では、ミネラルウォーターなんかを買うケースも増えていますね。
ただ、すごく個人的な印象になっちゃいますけど、日本人のイメージする“プライム”とは、違う気もしますね。有料の会員制で“プライム”と言ったら、「ポイント還元率が通常よりも高くなる」とか、「エクスクルーシブなサービスが受けられる」とか、そういうものをイメージするのではないでしょうか?
多分日本で個人をターゲットにするなら、今回のように「前金を収めておくと、あとの送料が無料になる」というものよりも、「あと500円で送料が無料になるんだけど、500円の中でおすすめの商品はこれです」というアドバイスが受けられるサービスのほうがなじむのではないでしょうか。結果的に、トータルの金額が上がってしまっても、買い物自体は楽しいですし。逆に、先に会費を払ってしまうと「どうにかして元を取らなきゃ」と、堅苦しい気持ちになってしまわないかと……。