このページの本文へ

日本信号とマイクロソフトら、タイルカーペットの色を利用するナビゲーションシステムを開発

2007年06月07日 19時16分更新

文● 編集部 若林健太

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

WYSIWYAS(ウィジウィアス)ナビゲーションコンソーシアム、中部国際空港(株)、日本信号(株)、マイクロソフト(株)の4社・者(50音順)は6日、床の色のパターンを携帯電話機などのカメラで撮影することで現在地を把握したり、目的地への案内ができるナビゲーションシステムを開発したと発表した。愛知県常滑市の中部国際空港(セントレア)において、旅客ターミナル3階の出発ゲートエリア通路部分に敷設されているタイルカーペットのパターンを利用して試験的に導入するという。導入時期は未定。

WYSIWYASナビゲーションコンソーシアム “What You See Is What You Are Suggested(見たままお進みください)”をコンセプトに、直感的なナビゲーションシステムの研究/開発を行なう産学連携のコンソーシアム。法人会員としては、中部国際空港、日本信号、マイクロソフトなど9社が参加している。

中部国際空港内のタイルカーペット

中部国際空港内のタイルカーペット

同システムは、マイクロソフトのOS“Windows Mobile 5.0”を搭載する端末を利用する屋内・屋外両用ナビゲーションシステム。内蔵のカメラでタイルカーペットの色のパターンを撮影することで、現在地を確認したり、目的地への音声案内やディスプレーへの矢印表示によるナビゲーションを利用できる。施設側はタイルカーペットを敷設するだけで同システムを利用することができ、特別な工事や大がかりな改修は不要。既存の携帯端末を利用するため、専用機器の開発・導入も必要なく、低コストでシステム導入が可能としている。タイルカーペットの暖色/寒色のパターンをビット情報に変換したり、空港のカウンター/ゲート/レストラン/ショップ/交通アクセスなどの情報をあらかじめ携帯端末にダウンロードしておけば、電波の届かない場所でも利用できる。

ビット情報の割当方法(左)とタイルカーペットの配置例(中央)。右はアプリケーションの画面イメージ

ビット情報の割当方法(左)とタイルカーペットの配置例(中央)。右はアプリケーションの画面イメージ

同ナビゲーションシステムは、(株)ウィルコムのPHS端末“W-ZERO3”シリーズ用のアプリケーションとして開発されており、マイクロソフトの.NET Frameworkをベースにしている。日本信号は、開発段階でテスト用の機材の一部や施設の提供を行なった。

実験の様子

(株)ウィルコムのPHS端末『W-ZERO3[es]』を利用した実験の様子

WYSIWYASナビゲーションコンソーシアムでは同システムについて、案内板の表示だけでは目的地にたどり着けない高齢者や視覚障害者などに対して有効としており、今後ほかの公共施設や大型商業施設で活用されることを期待しているとしている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン