(株)エルザ ジャパンの物理演算専用アクセラレーター『ELSA PHYNITE X100』(関連記事)は、ゲームにおける物理演算処理をハードウェアで行なうパソコン用PCIカードだ。処理が速くなるのは当然として、ゲームの表現としては何か変わるのだろうか?
“チュドーン”とか“グチャ”が大好きですが
FPS(First Person Shooting)の3種の神器といえば“グレネードランチャー”“スナイパーライフル”“チェーンソー(またはナタ)”であり、私はこれらが大大大好きだ。特にグレネードランチャーは、敵も味方も、車も建物も窓ガラスも、時には自分をも“ポン(またはブォフ) → チュドーン → グチャ”で粉砕でき、何かとストレスが溜まる現実社会を離れて爽快感を得られる唯一の瞬間ともいえる。
特に最近のパソコンゲームおよび次世代ゲーム機用ゲームタイトルおいての、爆発シーンの表現力というものは凄まじいものがある。その一方で、ハードウェアで物理演算処理を行なうパソコン用アクセラレータというものが、以前からものすごく気になっていた。そこで今回は、そんな物理演算専用“AGEIA PhysX”(フィジックス)アクセラレーターの実力を味わってみた。
AGEIA PhysXとは?
PhysXとは米AGEIA Technologiesが開発した物理演算シミュレーションエンジンで、米Epic Games社の“Unreal Engine 3”の3Dエンジンなどに採用されているほか、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの『プレイステーション 3』やマイクロソフト(株)の『Xbox 360』といった家庭用ゲーム機にも採用されている。
AGEIA社は2005年にPhysXの物理演算をハードウェア処理する専用プロセッサーを開発。それが“PhysXアクセラレーター”である。現在、PhysXアクセラレーター対応済のゲームタイトルとしては、AGEIA社が無償配布しているFPS『CellFactor:Revolution』や、仏Ubisoft社の『Tom Clancy‘s Ghost Recon Advanced Warfighter』などがある。また、今後対応するタイトルとしては、米Epic Games社の『Unreal Tournament 3』などがある。
このPhysXアクセラレーターはPCIスロット用の拡張カードという形で販売されている。冒頭で触れたエルザ ジャパンの『ELSA PHYNITE X100』もその1つで、実売価格は3万円前後となる。また、デルのゲーム向けパソコン“XPS 710”を購入する際には、オプションで“AGEIA PhysX 物理アクセラレーター”を選択することもできる。PhysXアクセラレーター対応ゲームは大体ハイエンドクラスのマシンスペックが要求されるため、そのためにマシンを1台組む、もしくはマザー交換など大幅に強化するぐらいならマシンごと購入するのが楽かもしれない。