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スーパーハイビジョンの次は眼鏡のいらない立体放送を

NHKの“技研公開2007”で、スーパーハイビジョン専用3300万画素の撮像素子が初公開!!

2007年05月25日 15時05分更新

文● 編集部 永水和久

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日本放送協会(NHK)の研究組織であるNHK放送技術研究所(技研)は24日から、“未知を探る・未来を創る”をテーマに研究技術を一般公開するイベント“技研公開2007”を、東京・世田谷区の技研にて開催している。開催期間は今月27日まで。入場料は無料。ここでは、完成したばかりという、世界初となるスーパーハイビジョンシステム専用の3300万画素の撮像素子が初公開された。

技研公開は毎年この時期に行なわれるイベントで、将来その採用を期待される開発・研究中の放送技術を一般に公開するもの。

技研所長の谷岡健吉氏

技研所長の谷岡健吉氏

公開初日の24日には、技研所長の谷岡健吉氏の講演があり、この一般公開について、「ハイビジョン技術以降、新しい技術に挑戦し続けている。公共放送の研究機関として目前のニーズに応えること以外に、長期的視野に立って放送技術をリードし、視聴者に夢を与えなければならない。この一般公開はその姿勢を表現したもの。この挑戦の途上にある研究の一端をご覧頂きたい」と説明した。その上で、「スーパーハイビジョンはこういった研究者の思いから生まれたもの」と位置づけた。

1枚の単板で実現した世界初となる3300万画素の撮像素子

1枚の単板で実現した世界初となる3300万画素の撮像素子

谷岡氏の講演の内容は、今年4月に東京・有明の国際展示場で開催されたフラットパネルディスプレーの展示イベント“Display 2007”(関連記事)での、スーパーハイビジョンに関する内容と同様であった。しかし、この時からさらに開発が進み、従来は緑2枚、赤1枚、青1枚の計4枚の撮像素子(各800万画素)を併用して再現していた3300万画素相当の撮像素子のシステムから、1枚の単板でこれを実現したことを発表した。

放送局としての立体テレビのビジョン

放送局としての立体テレビのビジョン

丸めて持ち運べるディスプレーと、これに貼り付けて音声をならすためのフィルム型スピーカーも開発中

丸めて持ち運べるディスプレーと、これに貼り付けて音声をならすためのフィルム型スピーカーも開発中

また、インターネット上のメディアが急成長する現在、今後技研が目指すべきこととして、「ハイビジョンのあとはスーパーハイビジョン。その次は立体テレビ放送を開発する。昔から立体テレビ放送というものはあるが、放送局が開発する立体テレビ放送としては、眼鏡を使わない長時間の視聴に向く寝っころがっても見られるの3つを実現させる」と展望を語った。

展示内容を写真で紹介



単板で実現した世界初となる3300万画素の撮像素子

単板で実現した世界初となる3300万画素の撮像素子

仕様の詳細

仕様の詳細

単板3300万画素の撮像素子を用いた撮影デモ

単板3300万画素の撮像素子を用いた撮影デモが行なわれていた

全体(ディスプレーは830万画素)

全体(ディスプレーは830万画素のもの)

部分拡大(ディスプレーは830万画素)

部分拡大(ディスプレーは830万画素のもの)

折り曲げられるテレビに採用予定のフィルム型スピーカー

折り曲げられるテレビに採用予定のフィルム型スピーカー

現段階ではここまで折り曲げられるという

現段階ではここまで折り曲げられるという

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