月刊アスキー 2007年7月号掲載記事
病院で使われるレントゲン写真のフィルムを将来的になくしてしまおう、という動きがあるらしい。レントゲンフィルムにまつわる保存、管理、環境への影響などの問題や、医療制度改革でコスト面の見直しも進み、フィルムレスでデジタルデータ化するという方向に進みつつある。
もちろん、患者にとってもメリットのある話だ。河上聡京都大学医学博士によれば「IT化によって、履歴などの検索や電子カルテとのマッチングが容易となり、患者への説明と理解がより向上するようになる」という。
たとえばトライフォー社が開発した「ProRad Viewer Plus」は、ベッドサイドでの患者説明を主な目的としたレントゲンビューアで、監修にあたったのは前述の河上氏だ。このシステムはウェブブラウザ上で操作が可能。PCさえあれば、院内のどこからでもアクセスできる。また、画面上に書き込んで説明できるなど、患者本位のユーザビリティを実現している。
でも、患者にとってみれば、IT化された医療に違和感を受けるかもしれない。こういった問題について河上氏はこう語る。「IT化されたとしても、医療行為そのものはあくまでも医師と患者とのコミュニケーション。医療蕫情報﨟のIT化は、医療行為を助けるためでなくてはならないのです」。