で、これが人民解放軍御愛用のOS「麒麟」のスクリーンショットだ!
ところで麒麟の公開後、UNIXに精通していると自称する利用者が「麒麟OSと他のOSに関する、コアの相似性についての分析」という研究結果を発表した。「FreeBSD 5.0に40.53%、FreeBSD 5.3にも60.53%が同じ」と分析し、「おそらく麒麟のコアのオリジナル部分はたった10~20%程度と推測する」と結論した。
くしくもその年、捏造などを原因として、DSPの漢芯やCPUの箱舟といったプロジェクトが強制終了した。「ES細胞の論文を発表した、韓国の黄教授の捏造事件の中国版」と揶揄された。中国の研究開発の在り方について疑問符が付きやすいタイミングだったこともあり、中国メディアはこぞってこの研究結果を取り上げて紹介した。「すべての著作権を所有したことも、中国の独自開発も(またも)嘘だったのか」というコメントもあり、中国のブロガーもこれらの記事をこぞって紹介した。
投げられた疑問について開発者からの回答はまだない。疑惑を確認したいという気持ちであれ、疑惑を抜きにして独自のOSを試したいという気持ちであれ、興味があればダウンロードして自身の手で試してみるといいだろう。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。
