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2010年には1兆円産業に!?

「省エネ」より「ファンド」で急成長する太陽光発電ビジネス

2007年05月23日 00時00分更新

文● 外村克也(編集部)

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月刊アスキー 2007年6月号掲載記事

グーグル本社の太陽光発電パネル

グーグル本社に取り付けられた 太陽光発電パネル: 世界最大規模の太陽光発電パネル(シャープ製)を導入したグーグル。発電量は1.9メガワットに上る。また、半導体製造大手の米アプライドマテリアル社も同規模の太陽光発電パネルの導入を3月に発表している。

 昨年から米国企業の省エネに向けた活動が活発だ。米ウォルマートは店舗の屋根に太陽光発電パネルを設置する計画を発表。グーグルはカリフォルニア州本社に、世界最大規模の太陽光発電パネルを導入した。

 太陽光発電ビジネスは、2000年以降の伸びが著しい。とくに導入量に関しては、米国よりも日本やドイツのほうが進んでいる。

 国内有数の太陽光発電パネルメーカーである京セラは「日本は'94年に始まった補助金制度と、コストダウンの効果で住宅用の太陽光発電パネルが広く普及した。近年、ドイツでの導入量が急増しているのは、電力会社が発電される電力を買い取ってくれる制度ができた影響。(供給される電力に対し)3~4倍の価格で買い取るので、ファンドビジネスとして企業に注目されている」という。

太陽光発電導入量

導入量: 政府主導による電力買取制度のあるドイツの伸びが著しい。イタリアやスペインなど20カ国が相次いで同様の取り組みを始めている。日本での国による補助金制度は2005年に終了したが、地方自治体は継続している。 (資料:太陽光発電協会、PV NEWS)

太陽光発電パネル生産量

生産量: 日本製の太陽光発電パネルが、市場の約半数を占める。シェアトップはシャープ、ほかに京セラや三洋電機、三菱電機など多数のプレーヤーが存在。本田技研工業も2007年から業界参入する。 (資料:太陽光発電協会、PV NEWS)

 日本における昨年の太陽光発電パネル生産額はおよそ4000億円。低コスト化や発電効率向上への研究も各企業で進められており、産業構造総合研究所では2010年に国内における生産額が1兆円に達する見通しを立てている。

 業界シェアトップのシャープはシースルータイプの太陽電池を開発。「今後は窓ガラスや車のフロントガラスを太陽電池にして、屋根以外の用途に広げて市場を拡大したい」としている。

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