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Opera Software訪問記(3)

Operaは生まれたときから、ギーク向けだった

2007年05月01日 19時00分更新

文● 編集部

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Opera Softwareの創業者のひとりでCEOを務めるJohn S. von Tetzchner(ヨン・フォン・テッツナー)氏

 Opera Softwareの訪問記。その最後となる本稿では、同社の創業者のひとりでCEOを務めるJohn S. von Tetzchner(ヨン・フォン・テッツナー)氏のインタビューをお届けする。

 過去2回にわたってお届けしてきた今回の企画では、第1回でOpera Softwareがノルウェーのオスロに拠点を置きながら、40ヵ国から集まった社員が働く極めてインターナショナルな企業であること、第2回でデスクトップ、モバイル、デバイスの統合(Convergence)を意識した同社の戦略について見てきた。今回は、こうしたOperaの現状を踏まえながら、創始者としてまたCEOとしてTetzchner氏がOpera Softwareの方向性について、どう考えているのかを聞いてみることにした。多忙なスケジュールを縫っての、短い時間ではあったが、10年を超すブラウザー開発に通暁するOperaの思想を垣間見ることができた。



小さい国だから、世界に目を向けないといけない


 まず最初に筆者が質問したのは「Operaのコンセプトについて」だ。これに対してTetzchner氏は、以下のように答えた。

「ユーザーにフォーカスしていることが挙げられますね。われわれは最高のブラウジング環境をどんなデバイスにでも提供することを目標に掲げています。パソコンでもモバイルでも、最高の環境でインターネットにアクセスできるようにすること、「皆さんのために」がOperaのコンセプトです。

 このコンセプトを実現する上で重要なこととして、Tetzchner氏は「高速に動作し、ウェブの標準技術を広範にカバーすること、どんなハードの上でも動作することが重要だ」と話した。また、「豊富な機能が提供されていると同時に、カスタマイズ性に優れていなければならない」という点も強調していた。もちろん、これらは他社のブラウザーにはないOperaの特徴のひとつになっている。

 こういったOperaのコンセプトを実現する上で、北欧の企業であることはどう影響しているのだろうか? この点に関しても聞いてみた。

ひとつ言えるのは「われわれの国はとても小さい」ということです。必然的に世界を視野に入れなければならなくなります。例えば、フランスに行ったら、みんながフランス語をしゃべらないといけませんし、残念ながら私は日本語を話せませんが、(日本人のあなたとコミュニケーションを取るためには)少なくとも英語で意思が伝わるようにしなければなりません。それぞれの国の事情に合わせるよう努力しなければならない。小さい国であるからこそ、われわれは「人々の違い」を理解しているんです。

 Opera Softwareの本社では40ヵ国から集まった社員が働いているという話は1回目のレポートで書いた。さまざまな国々から集まった社員が、それぞれの文化を尊重しながら働き、世界に向けたプロダクトをリリースする。そんな多様性を意識した雰囲気がOpera Softwareにはある。

2005年夏には、Operaのダウンロードが100万を超えたら、オスロからアメリカまで泳ぎきると断言していたTetzchner氏。ユーモア精神も旺盛だ(詳細はhttp://www.opera.com/swim/で)

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