触っていて気持ちのいいインターフェース
画質やリモコンのほかに、アップル製品の十八番とも言えるインターフェースにも注目しておきたい。触っていて気持ちのいいメニュー画面なくしてはApple TVは語れない。
最近ではテレビやハイブリッドレコーダーでも、写真の再生機能を備えているモデルが増えてきた。また、デジカメ自体をテレビにつないで写真を見ることも可能だ。
しかし、こうした製品は最低限の表示機能しか備えておらず、メニューの動きや写真の見せ方まで気を遣っているものはそう多くない。もちろん単に表示するだけでも、写真を見る目的は達成できるとはいえ、写真がより豪華に見えて楽しめるなら、“演出”があるに越したことはないだろう。
Apple TVでは、そうした視覚効果が随所に使われている。フォトビューワーの用途でいえば、トランジションが目立つところだろう。例えば“ディゾルブ”では、前の画像がふわっと消えて、次の画像がふわっと現われるというものだが、これが見ていて楽しい。
ほかにも、画面がダイナミックに左回転する“キューブ”や、水面に水滴が落ちたような“波紋”など、13種類から選択できる。Macユーザーには、アップルの写真管理ソフト『iPhoto』やプレゼンテーションソフト『Keynote』でお馴染みの効果だ。
また、Apple TVをしばらく放置していると起動するスクリーンセーバーにも注目。いくつもの写真がふわっと上がってきて、しばらくすると回転するという動きは、見ていて飽きない。
スライドショーもスクリーンセーバーも、印象的だが、ごてごてした過度な演出にまでは至っていない。その絶妙なバランス感覚が、アップルならではのインターフェースと言えるだろう。
再生はスライドショーのみ
さて、Apple TVをフォトプレーヤーとして使う上で不満がまったくないわけではない。個人的に不便だと感じたのは、ピンポイントで写真を選んで表示できないということ。
Apple TVの写真の再生機能はスライドショーのみで、基本的に流しっぱなしで見ることになる。例えば、会話に出てきた東京タワーの写真を相手に見せようとしたときは、“東京旅行”というスライドショーの再生を始めて、リモコンで早送りして目当ての1枚を探す──といった具合だ。
今後のアップデートでは、できればライブラリ/スライドショーの写真を一覧し、そこから再生する写真を選べるというプレビューモードも欲しいところ。現状では、とりあえず“流しっ放し”で見るしかない。