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日本オラクル、ID管理ビジネスに関する新たな取り組みを発表

2007年04月24日 22時12分更新

文● 渡邉利和

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日本オラクルは4月24日、セキュリティ市場におけるアイデンティティ・マネージメント(ID管理)の普及促進を目的とした新たな取り組みを発表した。


ID管理ビジネスに特化したパートナー・コミッティの設立ほか、コンサルティング、教育サービスを拡充


 発表された主な内容は、パートナー15社が参加するID管理事業のコミッティ「ID管理ビジネスパートナー・コミッティ」の設立と、ID管理の導入支援のための短期導入テンプレートとコンサルティング・サービスからなる「Oracle Identity Management(OIM) Accelerator for HRM」の提供開始。

日本オラクル常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏

日本オラクル常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏

 説明を行なった同社常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏は、コミッティ設立の背景を「データベースだけの時代はともかく、『Fusion Middleware』に取り組み始めて以降は、より特定のターゲットに向けてより詳細な情報を提供していく必要がでてきた」と説明。

日本版SOX法による需要拡大を受けてID管理市場が注目を集めている

日本版SOX法による需要拡大を受けてID管理市場が注目を集めている

 また、市場の状況としては、日本版SOX法対応が企業にとっての課題となる中で、2007年はプロセスの明確化や文書化の取り組みがまず行なわれ、ID管理に対する取り組みが本格化するのは2008~2009年になると指摘。同社のID管理ビジネスは既にキャパシティを超えるレベルの受注案件を抱えており、「2008年以降はIT業界全体のキャパシティを超えるレベルに達するのではないか」と今後のビジネス成長への期待の大きさを伺わせた。

 一方、ID管理ビジネスを推進していく際の課題として同氏が挙げたのが、(1)専門リソースの不足、(2)コンサルティング手法が未確立、(3)導入期間の長期化、の3点である。

 (1)に関しては、日本ではこれまで事実上大規模なID管理システム構築の案件が存在していなかったこともあり、システムインテグレータやパートナー企業にもノウハウの蓄積が進んでいない。そのため、今回のコミッティの設立などを通じてパートナーとの連携を強化するとともに、“オラクルユニバーシティ”を通じた研修コースを立ち上げている。研修終了者は現時点で70数名だというが、これを300人にしていくというのが目標とのこと。

 (2)のコンサルティング手法も同様の事情だが、海外では既に大規模案件を手がけたコンサルティング事業者が存在しており、先進的なノウハウの蓄積がある。現時点では名前は公表されなかったが、海外のトップコンサルティングファームと提携し、ノウハウの日本への移入を推進するとした。

今回発表されたコンサルティング・テンプレート「OIM Accelerator for HRM」の概要

今回発表されたコンサルティング・テンプレート「OIM Accelerator for HRM」の概要

 (3)の導入期間の長期化については、インテグレータ、ユーザーともに経験が浅いため、ID管理を企業システムのどの範囲にまで適用すべきかの見極めが難しく、検討期間が長期にわたる傾向がある。そこで、オラクルではコンサルティング・テンプレート「OIM Accelerator for HRM」を提供し、どの規模で始めればよいかを明確に示すことで短期低コストでの導入を可能にするという。

 なお、OIM Accelerator for HRMの導入期間は3カ月からで、費用はソフトウェアのライセンス等を含まないSI部分のみで2000万円からとなっている。

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