速報(関連記事)でお伝えしている通り、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは23日、“FOMA 903i”シリーズの後継機種となる“FOMA 904i”シリーズ5機種を発表した。ここでは都内で行なわれた発表会の模様をお伝えする。
発表会の開始とともに、同社執行役員 プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏は「ドコモは変わります」と宣言した。同氏はまず、赤い星印に“DoCoMo 2.0”と書かれた新たなトレードマークを紹介。これには「新しい、変わってきたドコモ」の意味が込められているという。また、今回の904iシリーズと同時に端末機能と同社の回線網を駆使したサービスを用意しており、「今回の904iを皮切りにドコモは反撃する」と強く宣言した。
1つの端末で2つの電話番号を持てる“2in1”
2in1は、1つの携帯電話機で2つの電話番号・メールアドレスを取得できるサービス。904i全機種で対応おり、利用料は月額945円。初めに契約した電話番号を“Aナンバー”、追加した電話番号を“Bナンバー”として識別し、通話料金・通話パックなどはAナンバーでの契約に準ずる。Aナンバーの無料通話ぶんをBナンバーで利用することもできる。
電話帳・メールボックス・発着履歴・待ち受け画面などはA・Bナンバーそれぞれ個別に持ち、Aナンバーを利用する“Aモード”からは、Bナンバーを利用する“Bモード”のメールデータなどを参照することはできない。ただし、A・Bナンバーどちらから発信するかを選択できる“デュアルモード”利用時には、両ナンバーのメールが確認できる。
夏野氏は「自宅に固定電話を持たない若者、特に女性にピッタリのサービス。宅配便の伝票など、見られやすい部分に自分の携帯電話の番号を書いておくのは抵抗があるが、(例えば)気軽に電話番号を変更できるBナンバーを書いておけば、セキュリティー面でも安心」と2in1の利点について説明した。
端末を傾けてキャラクターを操作できる“直感ゲーム”
直感ゲームは、携帯電話機を傾けたり振ったりして、ゲーム内のキャラクターや画面を操作できるiアプリ。『P904i』『SH904i』『D904i』の3機種で対応しており、P904i、SH904iの2機種では、米GestureTek社の“GestureTek EyeMobile”技術を利用し、端末のサブカメラを利用して端末の傾きや人の動きを察知する。D904iでは、傾きセンサーを本体に内蔵することで、傾きを察知してゲームに反映させているという。
各端末にはそれぞれ異なるゲームアプリがプレインストールされており、P904iは『塊魂モバイル』((株)バンダイナムコゲームス)、SH904iは『直感♪クラッシュバンディクー』(シャープ(株))、D904iは『タマラン』(三菱電機(株))がすぐにプレイできる。
そのほか『ハングオン』((株)セガ)や『直感アルカノイド』((株)タイトー)など、全40タイトルが904i発売と同時にリリースされる予定
夏野氏は、「電車内でマンガを読んでいた人たちが、今では携帯電話機でウェブサイトを見ていたり、メールをしていたりしている。マンガとゲームは親和性が高いので、もしかしたら電車内で携帯を傾けている人がたくさん見られるかもしれない」と述べた。
定額制の着うたフルサービス“うた・ホーダイ”
うた・ホーダイは、月に固定額を支払うことで何曲でもダウンロードし放題の定額制の音楽ダウンロードサービス。従来のモデルでも定額ダウンロードサービス“Napster”(ナップスター)を利用し、パソコンでダウンロードした楽曲を端末に転送することはできたが、904iシリーズでは全機種がWMA(Windows Media Audio)対応となり、端末だけでこういったサービスを利用できるようになった。
904i発売当初に利用できる、うた・ホーダイ”対応サイトは以下の通り。
- ナップスター♪♪♪No.1:月額1980円
- クラシックエッセンス Value:月額525円
- DJ直クラブ★ダンス取放:月額980円
- こころを癒す音楽∞ Music Shower:月額980円
- うた&メロ取り放題フル:月額315円
- i@フル Music 取り放題:月額1480円
- GET SOUND♪トリホーダイ(仮):月額980円
- (株)レーベルゲート(サイト名未定):未定
全画面でも観られる“ビデオクリップ”
ビデオクリップは、904i全機種で再生できる、従来モデル(903i)の20倍となる10MBの“iモーション”に対応した動画コンテンツ。QVGAサイズに対応しており、メニューなどを隠した全画面視聴も可能。5月下旬にビデオクリップのレコメンドサイトもリニューアルを予定しており、“オススメ動画”の紹介ページなどが新たに設けられるという。そのほか、ショッピング連携機能“WATCH→BUY”(ウォッチ バイ)を搭載。WATCH→BUY対応サイトでは、映画やDVDの予告編ムービーを視聴しながら、その映画のチケットやDVDを購入できるという。
このほか、年会費1万5750円でワンランク上のサービスを提供する“DCMX GOLD”(関連記事)、iモード上でのショッピング時にiDを利用して、面倒なカード番号入力を省ける“iDでネット決済”(関連記事)、夏野氏も最近ハマっているという“楽天オークション”へのアクセスが簡単にできる専用アプリ“楽オク出品アプリ”、1つのiアプリから残高照会や振り込みなどのサービスを簡単に利用できる“iアプリバンキング”(関連記事)、大容量化して映像や着うたも盛り込める“2MB きせかえツール”なども紹介された。
また、夏野氏は今回“903iS”ではなく、“904i”と数字が上がっていることについて「いつもならデザインを変えたマイナーチェンジモデルを発表して、“903iS”にするところだが、今回のモデルで独自に使えるサービス・機能がすごく増えたので、“904i”ということになった」と説明した。また、「今年の後半には、さらに機能を進化させた“905i”が出てくる」、「今回の発表ではこの5機種。ソニーエリクソンのモデルについては……? (などについては)知っていても言えません」と、次モデルへの情報をほのめかす場面も見られた。