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米グーグルのディープ・ニシャー氏が語る、日本のケータイユーザーの傾向とは?

2007年04月20日 20時49分更新

文● アスキービジネス編集部

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MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)は、4月19~20日、「次世代モバイル技術セミナー」を東京・港区のカナダ大使館で開いた。2日目の20日午前には、米グーグルでモバイルサービスのプロダクトマネジメントディレクターを務めるディープ・ニシャー氏が登壇。日本の携帯電話ユーザーの傾向と同社の戦略について語った。


モバイル版のパーソナライズド検索を近日中に日本でも開始、「検索精度は改善の余地がある」


「日本人のケータイの使い方には目を見張るものがある。私がスポーツジムで30分ほど走っていたら、隣ではその間、ずっとケータイを使い続けながら走っている日本人を見かけて驚いた」

米グーグル プロダクトマネジメントディレクター ディープ・ニシャー氏

米グーグル プロダクトマネジメントディレクター ディープ・ニシャー氏

 米グーグルのプロダクトマネジメントディレクターであるディープ・ニシャー氏はこんな冗談を交えながら、日本における携帯電話市場の状況について話した。ニシャー氏によると、日本では携帯電話のみでインターネットにアクセスするユーザーが22.5%に対して、PCのみでアクセスするユーザーは18%と、携帯電話がPCを逆転している。「これは時代の変遷であり、グーグルにとっても重要な意味を持つ」(ニシャー氏)。

モバイル検索ではロングテール現象が顕著に見られるという

モバイル検索ではロングテール現象が顕著に見られるという

 また、有名テレビドラマの放映直後に、ドラマ名のモバイル検索が爆発的に増加したというKDDIの調査結果を持ち出し、「PCをいちいち立ち上げるよりも、ポケットのケータイで調べるほうが早い」と携帯電話ユーザーの特性を指摘した。ニシャー氏によると、同社のモバイルサービスの検索キーワードのうち上位100位のキーワードが全体に占める割合はわずか12%に過ぎず、いわゆる“ロングテール現象”が顕著に見られるという。携帯電話では気になったことをすぐに検索できるため、検索キーワードが分散する傾向にあるというのがニシャー氏の見方だ。

 こうした状況を踏まえ同氏は、「今後、より強力なモバイル検索の必要性がますます高まるだろう」と話す。その際、重要なのが「検索結果のパーソナライズ」と「ユーザーエクスペリエンス」の2つだという。

米国で開始してるパーソナライズド検索のモバイル版を日本でも近々始める

米国で開始してるパーソナライズド検索のモバイル版を日本でも近々始める

 特に、パーソナライズについては、「携帯電話は共有するものではなく、自分だけで使うもの。つまり非常に個人的なものだ」と述べ、検索結果が個人ごとに最適化されている必要があるとした。グーグルはすでに米国でモバイル版のパーソナライズド検索を開始しているが、近日中に日本でも同様のサービスを開始するという。「他社のパーソナライズド検索のようにユーザー自身が不要なものを除外していくのではなく、ユーザーの行動履歴に応じて自動的に自分好みの検索結果が得られる」(ニシャー氏)

 なお、これに関連して、「モバイル検索の検索精度が現状、あまり高くないのではないか」との指摘に対してニシャー氏は、「まだまだPC版のサービスと比べると改善の余地はある。だが、我々にはPCとモバイルでノウハウを共有できる強みがあり、加えて専任チームを置いて改善に取り組んでいる。今後、経験を蓄積していくにつれて精度は向上するだろう」との見解を示した。

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