オリンパスイメージング(株)の『E-410』は、同社の“4/3(フォーサーズ)”方式を採用した一眼レフデジタルカメラの最新世代モデルに当たる。
小さくなっただけでなく、各種撮影機能も強化された
撮像素子は有効1090万画素に向上しつつも、従来の『E-330』を継承する“LiveMOSセンサー”(同じ面積でCCDより広い受光部面積を持ち、ダイナミックレンジの広い階調豊かな画質が実現できるという)を採用し、撮像画像(画角)を液晶ディスプレーに表示する“ライブビュー”が可能となっている。E-330にはライブビュー用のサブ撮像素子や2軸ヒンジの可倒式液晶ディスプレーなどを備えていたが、本機はサブ撮像素子を持たず液晶ディスプレーも角度調節ができない背面固定式ではあるが、その代わりに一眼レフデジタルカメラで最小というコンパクトボディーを実現している。
ボディーのデザインは、中央上部に“ペンタミラー”(本機は“クイックリターンミラー”からファインダーへの光路に、プリズムではなくミラーを採用する)のある軍艦部を配置した一眼レフにとっては一般的なもので、軍艦部を覆うようにポップアップ式フラッシュが装備されている。特徴的なのは、デジタル/フィルムを問わず一眼レフカメラでは一般的になった大きなグリップ部の膨らみがほとんどない。
とはいっても単純な平面ではなく、グリップ部前面はラバー系素材の複雑な曲面で構成されており、ホールド性はかなり良好だ。コンパクト一眼レフ機の中には、丸みを帯びた大きめのグリップを採用していても手が大きい人では指が余ってしっかり握りこめない場合や、レンズとの間の空間が少なくなって握りづらいものもあるが、逆にグリップ自体を小さくしつつ指を掛けやすい形状とした本機の形状は正解だろう。
さらに本体の高さ/厚みもかなり抑えられており、特に軍艦部・フラッシュのせり出しやでレンズマウント部分を除くボディー自体の直方体部分は高さ7cm、厚み4cm程度しかない。軍艦部やレンズマウントがあるためスペック的には大きいものの、手に持った印象としてはレンズ一体型のコンパクトデジタルカメラ(で大振りなもの)よりも小さいという印象だ。
高画素化以外の従来機からの機能強化点としては、同社お得意の撮像素子のゴミ落とし機能“ダストリダクションシステム”の動作周波数をさらにアップさせて性能を高めたほか、画像処理エンジン“TruePic III”の採用による画質改善などがある。インターフェースもいくつか改良が行なわれており、特にライブビューなど液晶ディスプレー利用時のインターフェースが変更された。
撮像素子からの画像をリアルタイムに液晶ディスプレーに表示し、光学ファインダーを覗くよりも多彩なアングルでの撮影ができ、拡大表示することで光学ファインダーよりも細部のピント合わせができるのがライブビューのメリットだが、本機ではこれも進化させている。従来はいつでも“適切”(見やすい明るさ)でのみ被写体が写し出されたのに対して、本機では露出補正機能やマニュアル露出モードなどで“露出”や“ホワイトバランス”、“カラーモード調整”などの色合いの補正操作を行なうと、液晶ディスプレーの表示も明るさや色合いが変化するようになった(ただし光学的に正しいプレビューではなく、補正値からエミュレートしたもの)。なお、この機能はメニュー内でON/OFFできるようになっており、フラッシュを用いて撮影するときなどはプレビューと実際の撮影結果に差が出るためOFFにしておいたほうがいいだろう。
また、各種ステータスが液晶ディスプレーに大きく表示される“スーパーコンパネ”は、フォントや文字色が変わってより見やすくなった。液晶ディスプレー自体、上下左右176度という広い視野角を持つものを採用しているため(これはE-330のような可変アングル液晶を採用しなかった代わりではあるが)、ライブビューの際に被写体を確認しやすいだけでなく、スーパーコンパネ時のステータスも確認しやすくなったのはありがたい。
